エネルギー計画 電力の安定供給が前提条件だ

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 温室効果ガスの排出を抑制しながら、電力の安定供給を確保するという課題にどう対処するか。冷静な議論を通じ、現実的な道を探るべきだ。

 経済産業省は、国の中長期的なエネルギー基本計画の改定に向けた検討を始めた。おおむね3年ごとに見直しており、来年夏にも新計画を示す方針だ。

 2018年に定めた現計画は、30年度の電源構成比について、再生可能エネルギーを「22~24%」、原子力を「20~22%」、石炭や液化天然ガスなどの火力を「56%」とする目標を掲げている。15年の見通しを据え置いたものだ。

 温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」が16年に発効し、温室効果ガスの排出が多い化石燃料の使用を減らす「脱炭素化」の動きが広がっている。新計画では、化石燃料を使う火力に、これ以上頼る選択肢はとれない。

 政府は、すでに非効率な石炭火力を30年度までに休廃止させることを決めている。

 脱炭素化には、再生エネをどこまで増やせるかが焦点だ。

 18年度の再生エネ比率は、水力を含めて17%と、10年度の約2倍に上っている。12年に固定価格で買い取る制度を始め、太陽光を伸ばした。政府は、洋上風力の普及で一段の拡大を目指している。

 問題はコストの高さだ。買い取り費用が転嫁された結果、家庭や企業の電気代の負担は1割以上増え、年2・4兆円となった。標準的な家庭で年1万円近い。企業の国際競争力も低下させている。

 太陽光や風力は天候などに左右され、発電量が不安定だ。電気は需要と供給のバランスを取らないと、停電するリスクがある。

 社会のデジタル化が進む中、電力の安定供給は、ますます重要になっている。再生エネを補う電源を併用することが求められる。

 化石燃料ばかりに頼れないとすれば、原子力の活用が最も有効だろう。二酸化炭素を出さず、安定した発電が可能だ。輸入に頼る化石燃料と異なり、発電を増やせばエネルギー自給率が高まる。

 東日本大震災後、廃炉が決まったものを除く33基のうち、再稼働した原発は9基しかない。政府は、新計画で原発の必要性を国民に説明し、責任を持って再稼働を後押しせねばならない。

 同時に、国民の原発に対する信頼を取り戻すため、官民で安全を一段と高める技術開発を加速させるべきだ。古くなった施設も多く、原発の新増設についても、論議を深めてもらいたい。

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1554962 0 社説 2020/10/17 05:00:00 2020/10/17 05:00:00

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