父親の育児休業 取得率の底上げを着実に図れ

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 少子化に歯止めをかけるには、男女が共に子育てに携わる環境を整えることが大切だ。

 厚生労働省の審議会が男性の育児休業取得を促進するための検討を始めた。政府はこれを踏まえ、来年の通常国会に育児・介護休業法の改正案を提出する方針だ。

 政府は、男性の育休取得率を2025年に30%とする目標を掲げる。だが、19年度は8%弱にとどまっている。取得者が少ない原因を分析し、底上げを図りたい。

 審議会では、男性従業員に対する雇用主の働きかけを強める方策が議論される見通しだ。

 男性の育休取得率は、雇用主の意識や職場環境が大きく影響するとみられている。

 現行法は、雇用主に対し、従業員やその配偶者が出産することを知った場合、育休制度の内容や休業後の処遇を説明するよう努力することを求めている。改正案では、従業員に対する周知を義務化することが焦点になりそうだ。

 千葉市は17年度から、子供が生まれた男性職員に上司が面談し、育休の取得予定を聞く取り組みを本格化させた。業務に支障が出そうな場合、担当を変えたり、代替職員を確保したりしている。

 その結果、16年度に1割台だった取得率は、19年度には9割台まで上がったという。

 育休を取りたくても、職場の雰囲気を気にしてためらう男性は多い。上司が積極的に声をかけることが有効だろう。

 雇用主への義務づけは、中小企業などにとって、過重な負担とならないよう配慮が必要だ。

 妻が出産した直後の育休取得を促進することも検討課題だ。妻の産後うつを防ぐ効果や、早い段階から父親としての意識を高めることが期待されている。

 現行法では、原則として休業の1か月前までに取得を申請しなければならない。この期間を短縮して、すぐに利用できるよう柔軟に対応したい。

 収入が減ることを理由に、育休を取得しないという人も多い。

 休業中は、月給の最大67%、上限約30万円まで雇用保険から給付金を受け取ることができる。給付額を増やすには、保険料の引き上げを含めて、新たな財源の確保が不可欠となる。総合的な観点から議論しなければなるまい。

 育休取得の促進にとどまらず、仕事と子育てを両立できる環境が重要だ。各企業は、業務を効率化し、長時間労働を是正することに努めてもらいたい。

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1558470 0 社説 2020/10/19 05:00:00 2020/10/19 05:00:00

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