菅首相初外遊 東南アジアと信頼関係深めよ

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 東南アジアの友好国との信頼関係を深め、地域の平和と繁栄を維持していくことが大切だ。

 菅首相が就任後初の外国訪問として、ベトナムとインドネシアを訪れた。両国首脳との会談では、経済や安全保障分野の協力で合意した。

 ともに東南アジア諸国連合(ASEAN)の中心国で、日本との経済的な結びつきが強い。安倍前首相も第2次内閣発足後、最初の外遊先に両国などを選んだ。

 ASEAN重視の姿勢を明確にするとともに、安倍政権が掲げた「自由で開かれたインド太平洋」構想を発展させ、具体化する狙いがあるのだろう。

 菅首相はハノイでの演説で、ASEANが昨年まとめた独自のインド太平洋構想について、「多くの本質的な共通点を有している」と語った。法の支配や自由などの基本的な価値観を共有していることを確認した意義は大きい。

 南シナ海情勢については、「法の支配や開放性とは逆行する動きが起きている」と述べ、名指しを避けつつ中国を牽制けんせいした。

 国際ルールを無視し、覇権主義的な行動を続ける中国の動きは容認できない。日本は米国や関係国と緊密に連携し、中国に粘り強く自制を求めねばならない。

 日本とASEAN各国との関係は、安保、経済など多岐にわたる。信頼関係に基づいて、多角的な協力を進めることが重要だ。

 菅首相はベトナムのフック首相との会談で、日本からの防衛装備品の輸出などを可能とする防衛装備品・技術移転協定について実質合意した。安全保障分野での協力は大きな前進と言える。

 両首脳は、医療物資などのサプライチェーン(供給網)強化や、短期出張のビジネス関係者の往来再開についても一致した。

 マスクや医療用防護服などの輸入を中国に依存している現状は心もとない。供給網を多元化し、中国依存を改めるのは適切だ。多くの日系企業が進出しており、現地の雇用拡大にもつながろう。

 ASEAN各国は、中国との経済的なつながりが強く、米中の板挟みになることへの懸念が出ている。日本は各国の実情に配慮し、経済や社会の健全な発展に資する取り組みを後押ししたい。

 首相の外国訪問は、安倍前首相が中東を歴訪した1月以来だ。

 多国間協力の重要性は増し、貿易交渉など懸案は山積している。限られた首脳外交の機会を生かし、国際協調をいかに推進するか、首相の戦略が問われよう。

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1564216 0 社説 2020/10/21 05:00:00 2020/10/21 05:00:00

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