米大統領選 やはりコロナが最大の争点だ

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 新型コロナウイルスの脅威をどこまで深刻にとらえ、国民にいかなるメッセージを発するのか。両候補の認識の差が浮き彫りになった。有権者の審判にも影響を与えるだろう。

 11月3日の米大統領選に向けて共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領が、最後のテレビ討論会を行った。

 自らもコロナに感染したトランプ氏は、米国内の状況は好転しているとの楽観的な見方を示し、経済活動や学校などの再開を急ぐべきだとの持論を展開した。コロナ禍は「中国のせいだ」として、自らの責任は否定した。

 これに対し、バイデン氏はトランプ氏の「無策」を厳しく追及し、「これだけの死者を出した人物は大統領にとどまるべきではない」と断じた。感染がさらに拡大する可能性も強く警告した。

 感染による米国の死者は22万人を超え、他国よりも格段に多い。コロナは世界規模の問題で、感染拡大は止めようがなかったというトランプ氏の主張は、説得力を欠くと言わざるをえない。

 「米国が直面する最重要課題」を聞いた世論調査では、「政府・リーダーシップの欠如」と「コロナ」が共に25%で、「経済」の9%を上回っている。感染症を巡る政権の危機管理能力に不安が高まっている様子がうかがえる。

 トランプ氏は感染から回復すると、大規模な選挙集会を直ちに再開した。事態の正常化をアピールしたいのだろうが、国民の感覚とは遊離しているのではないか。

 日本にとっては、対中国、北朝鮮政策の行方も懸念材料だ。

 バイデン氏は、中国が国際ルールを守るよう、友好国と共に圧力を強める考えを示した。トランプ氏の「自国第一」や同盟軽視の路線を改め、国際協調に回帰しようとする姿勢は評価できる。

 トランプ氏は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と首脳会談を重ねたことが、米朝が戦争に陥る事態を防いだと訴えた。

 現実には、北朝鮮は核・ミサイル開発を継続し、先の軍事パレードでは新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を登場させている。首脳間の個人的関係だけで非核化を実現するのは困難だろう。

 一方で、バイデン氏がかつて副大統領を務めたオバマ政権が、結果的に中国の軍拡や北朝鮮の核・ミサイル実験を許したのは、トランプ氏が批判する通りだ。

 対話と圧力をどう組み合わせ、中国と北朝鮮の行動を変えさせるか、具体策が問われている。

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1573572 0 社説 2020/10/24 05:00:00 2020/10/24 05:00:00

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