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活字文化の日 読書の大切さを再認識しよう

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 今日は文字・活字文化の日だ。14日間の読書週間も始まった。本に親しむ意義を再認識したい。新型コロナウイルスの影響やデジタル化の波が広く社会に及んでいるからだ。

 読売新聞の世論調査によると、コロナ禍が広がって以降、読書時間が「増えた」という人が12%に上った。医療・健康関連や人生を深く考える本を読むようになったとの回答も目立っている。

 20世紀フランス文学の名作、カミュ著「ペスト」が大幅に増刷されたことも特筆すべき話題だ。感染症への不安から、古典的な本が底力を示した好例と言える。

 今年上半期、出版物の推定販売額は、前年同期比2・6%のプラスとなった。顕著なのは、電子出版が3割近く急伸したことだ。

 背景には外出自粛に伴う「巣ごもり需要」がある。漫画のヒット作に加え、人気作家の東野圭吾さんが電子版を解禁したことも、売れ行きを後押ししたのだろう。

 紙の本では、図鑑やドリル、法律を解説した「こども六法」などの児童書が好調だったという。全国の学校が一斉休校に入り、家庭学習に本を役立てる動きが広がったことを物語っている。

 大阪市では7月、壁一面を本棚にした「こども本の森 中之島」が開館にこぎつけた。建築家の安藤忠雄さんが設計・建設し、市に寄贈した図書施設だ。賛同者の寄付を募り、運営費に充てる。

 「スマートフォンの軽い情報ではない、手に取れる本の言葉の重み」こそが心に響く、と安藤さんは語っている。紙の本の役割を考える上で、大切な視点である。

 コロナ禍が収束しない中で、政府はオンライン教育の拡充を進めている。ただ、平井デジタル改革相が、小中学校で使う教科書を原則すべてデジタル化すべきだと主張しているのは心配だ。

 デジタル端末は、熟読し、深く考えるのには不向きだ、とする研究結果もある。長時間の使用は目や肩の疲労につながる。紙の教科書の代替とすべきではない。

 教科書は紙を基本とし、デジタルは、子供たちの興味や理解を深めるために生かすべきだ。動画や音声なども使える特性を踏まえ、活用法を研究してほしい。

 有識者や新聞・出版団体の代表らで作る「活字の学びを考える懇談会」は、電子と印刷メディアとで、バランスの取れた学校教育の実現を政府に求めている。

 言語力を涵養かんようし、豊かな人間性を育んできた歴史ある活字文化をおろそかにしてはならない。

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1579930 0 社説 2020/10/27 05:00:00 2020/10/27 05:00:00

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