衆院予算委 山積する課題に議論を深めよ

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 感染症が再流行する懸念が拭えない。政府と与野党は建設的な論戦を通じて、具体策を練り上げる必要がある。

 衆院の予算委員会で質疑が始まった。

 菅首相は、新型コロナウイルスへの対応について「これまでの経験や科学的知見も踏まえ、万全の対策を講じていく」と述べた。

 国内の感染者は10万人を超えた。新規感染者数は横ばいが続いていたが、最近になって都市部を中心にクラスター(感染集団)が発生し、再び微増傾向にある。医療・検査体制の拡充は急務だ。

 田村厚生労働相は、コロナとインフルエンザの症状の見分けが付かないことを想定し、発熱した人を必ず受け入れる診療・検査機関を都道府県に整えてもらう考えを示した。自治体任せにせず、政府が主導することが肝要である。

 企業には先行きへの不安が広がっている。有効求人倍率は9か月連続で下落した。事業の継続に窮している中小企業は多い。

 首相は「必要な事業者に、実情に応じた支援措置をしっかりと行っていく」と語った。

 雇用調整助成金の上限を引き上げる特例措置や、生活困窮者への支援を継続することが不可欠である。雇用情勢の悪化に歯止めをかけるためには、追加の経済対策もためらうべきではない。

 首相の答弁は、感染症対策やデジタル化など個別案件に関しても具体策に乏しかった。安全運転に徹したのだろうが、難局を乗り切る指針を示してほしい。

 立憲民主党は、日本学術会議が推薦した6人の候補の任命を首相が拒否した問題を追及した。

 首相は、候補になるのに現会員などの推薦を必要としているのは疑問だとして、「前例を踏襲していいのか。例えば民間人や若手を増やした方が良い」と語った。

 学術会議には国の予算が投じられ、科学技術政策などに強い影響力を持っている。問題点があれば是正するのは当然だ。

 だが、首相が6人の任命を拒否した理由を語らず、「政府が行うのは形式的任命」という過去の政府答弁との食い違いを残したままでは、説得力を欠く。

 所属大学などが偏っているという首相の指摘に対し、学術会議側は、東京大学の会員を減らすなど改善してきたと反論している。

 政府が疑問に答える努力をせず、野党との間で押し問答を繰り返しているようでは、国民の期待に応えられまい。論点を整理し、丁寧に説明せねばならない。

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1598420 0 社説 2020/11/03 05:00:00 2020/11/03 05:00:00

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