予算委員会論戦 外交安保の課題を掘り下げよ

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 衆参両院の予算委員会を舞台に、政府と与野党が論戦を展開している。だが、外交や安全保障に関する議論は物足りないと言わざるを得ない。

 国際情勢は、変化のさなかにある。菅首相と各党は、日本が果たすべき役割や、懸案解決の道筋を明確に示し、掘り下げて論じてほしい。

 混乱が続く米大統領選について、首相は「日米同盟は日本外交の基本だ。次の大統領としっかり付き合っていきたい」と述べた。米社会の分断にも言及した。

 大統領選の結果が確定すれば、首相は訪米の時期を見定め、初の首脳会談に臨む方針だ。安全保障や貿易問題など、日米両国が協調すべき課題は多い。早期に信頼関係を築いてもらいたい。

 北朝鮮を巡っては、拉致、核、ミサイル問題の包括的な解決を目指す考えを強調した。安倍前首相と同様に、拉致問題の解決に向けて、金正恩朝鮮労働党委員長と「条件を付けずに直接向き合う決意だ」と表明した。

 安倍政権では、当初の圧力重視が功を奏さず、首脳会談でこうちゃく状態を打開する戦略に転換した。首相は、米国と緊密に連携し、交渉を前進させなければならない。

 立憲民主党は、核兵器の開発や保有、使用などを包括的に禁じる核兵器禁止条約に日本が参加していないことを取り上げた。

 首相は「核廃絶というゴールは共有している」と評価しながら、核保有国が加わっていないことを踏まえ、「立場の異なる国々の橋渡しに努める」と強調した。

 日本の責務は、核抑止力の安全保障上の意義を踏まえつつ、核保有国に働きかけ、核軍縮を具体的に進展させることだ。

 国連総会第1委員会では、日本が提出した核兵器廃絶決議案が賛成多数で採択された。核保有国の米英も共同提案国となった。

 決議案のうち、来年2月に期限切れとなる米露の新戦略兵器削減条約(新START)の重要性を訴えた部分については、ロシアも賛成に回り、反対は中国だけだった。核軍縮の機運を少しでも高める意義は小さくない。

 内政や外交の重要課題を巡る論戦が低調なのは、日本学術会議問題に質問が集中しているためでもある。首相は、会員候補6人の任命を拒否したことについて、国民の多くが納得できるよう、自らの言葉で丁寧に説明すべきだ。

 政府、与野党ともに、建設的な政策論争を通じて、国民への責任を果たす必要がある。

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1605493 0 社説 2020/11/06 05:00:00 2020/11/06 05:00:00

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