人の往来緩和 各国の感染状況を見極めよ

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 経済活動の正常化に向けて、国境を越えた往来を促す意味は大きい。政府は各国の感染状況を見極め、段階的に制限を緩和してほしい。

 政府は、新型コロナウイルスに関する出入国制限の新たな緩和策を決めた。今月1日以降、海外出張から戻る日本人や在留外国人について、帰国後の14日間待機を免除した。すべての国・地域への7日以内の出張が対象となる。

 輸出入や投資などの企業活動を進めるには、海外と行き来できる環境が望ましい。待機措置は海外出張を制約する要因になっており、一定の条件で制限を緩め、往来を後押しするのは適切だ。

 帰国者には、ウイルス検査を受け、活動計画書を提出することを求める。14日間は電車やバス、タクシーなど公共交通機関を利用せず、移動は自宅と職場の往復に限定することなどが条件となる。

 米国や欧州では感染拡大が再燃しており、有効な対策を徹底することが重要だ。国内での再拡大につながらないよう、政府は企業にルール順守を指導すべきだ。

 ただ、渡航時には相手国の防疫措置に従う必要がある。政府は、感染が落ち着いている国々と相互に制限を緩和するための交渉を進めているが、合意に達したのはシンガポール、韓国、ベトナムの3か国にとどまっている。

 夏以降、日本国内の新規感染が再増加したため、慎重姿勢を示す国もあるという。政府は経済的な結びつきが強い国を中心に、粘り強く調整を進めねばならない。

 中国や韓国、タイなど9か国・地域に関しては、感染症危険情報を初めて引き下げた。レベル3の「渡航中止勧告」からレベル2の「不要不急の渡航自粛」とし、入国拒否の対象からも外した。

 企業が出張の可否を判断する目安になっており、商談などの再開に弾みがつこう。現地の感染状況について、政府が迅速に情報を提供することが不可欠だ。

 政府は、日本滞在が72時間以内の「超短期」に限り、海外のビジネス関係者を受け入れる枠組みの新設も検討している。ホテルなどでの待機を免除するものだ。

 冬場を迎えて、感染拡大の封じ込めに苦慮する国も出ている。対象国や実施時期について、慎重に見極めることが大切である。

 政府は、空港での検査能力を現在の1日1万人から、さらに倍増させる方針だ。来夏の東京五輪・パラリンピックに向けて、検査設備や要員の確保など必要な態勢を整えてもらいたい。

無断転載・複製を禁じます
1608357 0 社説 2020/11/07 05:00:00 2020/11/07 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ