3次補正指示 経済の再生を確かなものに

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 新型コロナウイルスの感染再拡大を防ぎつつ、経済を本格的な回復に導く施策が必要だ。

 菅首相は、追加の経済対策を盛り込んだ2020年度第3次補正予算案の編成を指示した。首相は閣議で、「(経済を)民需主導の成長軌道に戻していく」と強調した。

 与党内で10兆円を上回る規模とするよう求める声が出ているが、金額ありきではなく、効果的な事業を見極めねばならない。

 冬に向けて、コロナの感染者数の急増が懸念されている。ワクチン開発や医療体制の強化への手当てに、万全を期したい。

 その上で、経済の下支えに最善を尽くすことが不可欠だ。

 9月の失業率は3・0%と、5%を超えたリーマン・ショック後より低い水準となっている。

 政府は、従業員に休業手当を出した企業に支払う「雇用調整助成金」の上限額を増額するなどの特例措置を講じており、一定の効果を上げているのだろう。雇用悪化を防ぐため、12月末となっている期限の延長を考えるべきだ。

 航空会社などで、社員を他企業に出向させる動きが出ている。雇用調整助成金には、出向に対する助成制度もあり、政府は拡充の方向で検討中だ。人材の有効活用を促してもらいたい。

 観光支援策「Go To トラベル」事業は、来年1月末の期限を大型連休まで延ばすべきだとの声がある。旅行代金の補助や買い物に使えるクーポン発行で旅行需要を喚起する制度だ。

 延長は理解できるが、予約後にキャンセルし、クーポンだけを得たとみられる不適切な利用があるという。不正や無駄、不公平がないか、点検が必須となる。

 今回は、国民への一律の現金給付は議論されていない。困窮者の救済から、成長を目指す施策に徐々に力点を移すことも大切だ。

 コロナ禍により、在宅勤務やオンラインでの商談、ネット通販などが拡大している。企業のIT化支援や高速・大容量通信規格「5G」の普及策が急がれる。

 首相は、50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を打ち出した。洋上風力発電や蓄電池、水素利用などの技術革新を強く後押ししてほしい。

 一方、20年度は2度の補正予算を編成し、歳出は160兆円を超えた。国の借金である新規国債発行額は約90兆円に達している。野放図な発行で、国債の信認が低下すれば大変だ。政府は財政再建の論議にも着手せねばなるまい。

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1616339 0 社説 2020/11/11 05:00:00 2020/11/11 05:00:00

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