元徴用工問題 事態収拾の責任は韓国にある

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 韓国人元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)の訴訟問題が尾を引き、日韓関係に決定的な打撃を与える局面が迫っている。韓国の文在寅政権は早期に収拾策を示してほしい。

 韓国の最高裁が日本企業に元徴用工らへの賠償を命じた判決から2年が過ぎたが、韓国政府は問題を放置し続けている。

 菅首相は、来日した韓国の朴智元・国家情報院長と会談し、解決に向けた対応を求めた。朴氏は、1998年の日韓共同宣言に続く新たな宣言を作成、発表することを提案したという。

 文政権として、菅政権の発足を契機に関係改善を図る意欲があることを示したかったのだろう。

 だが、韓国政府が慰安婦問題などを執拗しつように蒸し返し、反日感情をあおり立てたことにより、日本の対韓世論は硬化している。

 98年の共同宣言には、歴史問題に区切りを付け、未来志向を強調する画期的な意義があった。元徴用工問題の解決の見通しがつかず、日本側が韓国への不信を高めている中で、新しい宣言を論じるのは順序が違うのではないか。

 最高裁判決を受けて、韓国では日本企業の資産売却の手続きが進行している。資産が現金化された場合、日本政府は、請求権問題の解決を定めた65年の日韓請求権・経済協力協定への違反として強い対抗措置をとる方針だ。

 文氏には、大統領として国際協定を順守する責務がある。「三権分立」を口実にして、不当な判決に対する善後策をとらなかったことが、事態の悪化を招いている現実を直視すべきだ。

 先に開かれた日韓局長級協議で、韓国側は「日本政府と被告企業が誠意を見せる必要がある」と述べたという。日本側には到底受け入れられない主張だ。

 問題が65年の協定で解決済みである以上、元徴用工に補償するとすれば、韓国政府が過去の政権と同様に支払うのが筋である。資産の現金化を回避することが、膠着こうちゃく状態の打開への一歩となろう。

 日韓間では、新型コロナウイルス対策など、協力すべき課題は多い。北朝鮮への制裁や防衛体制についても連携が問われている。

 日中韓首脳会談の今年の主催国である韓国は、年内開催を希望している。文政権は元徴用工問題を動かし、菅首相が訪韓できる環境を整備すべきだろう。

 米国では、バイデン新政権が発足する見通しだ。地域の安定を保つためにも、日韓が協調し、米国との関係を深める必要がある。

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1619357 0 社説 2020/11/12 05:00:00 2020/11/12 05:00:00

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