社会保障会議 全世代の安心につなげたい

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 現役世代の負担の上昇を抑えながら、すべての世代から信頼を得られる制度をどう構築するか。多角的に考えたい。

 政府の全世代型社会保障検討会議が、年末の最終報告に向けて議論を進めている。

 社会保障制度を支える現役世代の負担は、団塊の世代が75歳になり始める2022年以降、さらに重くなる見通しだ。給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という従来の構造を見直していくことが喫緊の課題である。

 焦点は、高齢者の医療費の自己負担割合だ。政府は14年から、それまでの原則1割負担を、70歳以上75歳未満について順次2割に引き上げてきた。今回は、75歳以上が見直しの対象となっている。

 現在は原則1割としつつ、高額所得者のみ3割負担である。政府は、中程度の所得がある人は2割とする方向で、具体的な所得基準を議論している。

 制度の持続可能性を高めるために、経済力のある高齢者に応分の負担を求めることはやむを得まい。医療費の過度な増大を抑える効果も期待できよう。

 ただ、高齢者が支払いを気にして受診を控え、必要な医療を受けられずに症状が悪化するということがあってはならない。

 政府は、負担増が高齢者の受診や家計に与える影響について、データをもとに丁寧に論議を積み重ねてほしい。

 2割負担となる所得の目安をいくつか示し、現役世代の保険料や医療費を抑える効果はもちろん、例えば、高血圧で通院する人、骨折で入院する人などの費用の変化を試算してはどうか。

 少子高齢化が進む中では、社会保障の担い手を増やすことが重要である。生活習慣病の予防に力を入れて健康寿命を延ばし、意欲のある高齢者ができるだけ長く働ける環境を整えねばならない。

 働く女性も増加しており、24年度末までに新たに子供14万人分の保育の受け皿が必要になる見通しだ。保育士不足の解消などに計画的に取り組んでもらいたい。

 政府は、不妊治療への保険適用に向けて、年末までに行程表を示す方針である。出産を望む人の希望をかなえることに加え、若者の雇用環境を改善し、家庭を持てるよう支援することが大切だ。

 将来にわたって社会保障の安定財源を確保するためには、税収が景気に左右されにくい消費税率の引き上げは避けられまい。コロナ禍にあっても、中長期的な検討は始めるべきだろう。

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1622366 0 社説 2020/11/13 05:00:00 2020/11/13 05:00:00

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