日米電話会談 同盟強化へ首脳間の信頼築け

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 日米同盟の重みは、大統領が交代しても変わらない。政府は、次期米政権とも強固な関係を構築する必要がある。

 菅首相が、米大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領と電話で初めて会談した。約15分間のやり取りだったが、同盟を強化するとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に努力する方針で一致した。

 「米国第一」を掲げるトランプ大統領は、同盟国に圧力をかけ続けた。バイデン氏は同盟関係を重視する考えを示しているが、政策の詳細は見通せない。

 中国は、南シナ海の軍事拠点化を一方的に進めるなど覇権主義的な活動を強めている。日米は、民主主義や法の支配といった価値観を共有する国とともに、秩序の維持に取り組まねばならない。

 首相とバイデン氏が、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約5条を沖縄県・尖閣諸島に適用することを確認したのは、中国への強い牽制けんせいとなるだろう。

 日本が提供している基地は、米軍のアジア太平洋地域の拠点であり、米国の国益につながっている。政府は新政権に、そうした事実を丁寧に説明すべきだ。自衛隊と米軍が共同演習などを通じて、信頼を深めることも不可欠である。

 首相は電話会談で、北朝鮮による日本人拉致問題への協力を要請した。日米で連携し、事態の打開を図ってもらいたい。

 首相は、早期の訪米に意欲を示している。バイデン氏が正式に大統領に就任する来年1月以降になる見通しだという。

 政府は新政権の顔ぶれを見極め、オンラインも活用して重層的に対話することが大切だ。

 安倍前首相は、トランプ氏と意思疎通を重ね、同盟の安定に腐心した。それが米国の対日圧力の緩衝材ともなった。菅首相も、首脳間の良好な関係の構築に向けて戦略的に取り組んでほしい。

 前首相は退陣表明後の談話で、年内にミサイル防衛の強化策をまとめる方針を示していた。北朝鮮のミサイル能力の向上を踏まえ、他国の領域内にある拠点の攻撃手段を確保する狙いがあった。

 だが、菅首相は、談話が閣議を経ていないことから「効力は後の内閣に及ばない」と述べている。攻撃能力の保有に慎重な公明党に配慮し、取りまとめを先送りするのではないかとの見方がある。

 米軍が担っている攻撃力の一部を自衛隊が補完すれば、抑止力は高まり、同盟も深化する。議論を避けてはなるまい。

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1622367 0 社説 2020/11/13 05:00:00 2020/11/13 05:00:00

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