企業中間決算 改革とビジネス開拓に努めよ

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 新型コロナウイルスの感染拡大で悪化した企業業績に、好転の兆しが出ている。ただ、二極化も鮮明だ。苦境が続く企業は、事業の改革や新事業の創出で難局を乗り切りたい。

 東京証券取引所に上場する企業の2020年9月中間決算の発表が峠を越えた。金融を除く1部上場1217社の最終利益の合計額は前年同期比で約4割減った。

 緊急事態宣言などの影響で、約6割落ち込んだ4~6月期と比べれば、持ち直した形だ。通期の21年3月期は、前年比2割程度の減少にとどまる見通しだという。

 目立つのは、中国など海外市場の回復による製造業の復調だ。

 自動車では、21年3月期の業績予想を上方修正する企業が相次いだ。裾野が広い基幹産業の業績好転は、明るい材料と言える。

 トヨタ自動車は、最終利益の予想を7300億円から1兆4200億円に引き上げた。海外での販売回復のほか、地道な効率化努力も寄与することになる。ホンダも21年3月期の予想を上方修正し、3900億円と見込んでいる。

 部品産業など、取引先企業への波及が期待できよう。

 コロナ禍による生活様式の変化を、好機に変えた企業も多い。

 ゲーム事業や音楽配信などが好調だったソニーは、9月中間決算で過去最高の利益となった。ゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」が世界的に人気を集めた任天堂も、最高益をたたき出した。

 カップ麺や袋麺のヒットで最高益だった日清食品ホールディングスは、健康志向に応える商品で一段の販売増を目指すという。

 消費者ニーズを的確につかむ経営戦略が不可欠だ。

 一方、利用客数の落ち込みで打撃を受けているJR各社や航空会社は、9月中間決算で軒並み過去最悪の赤字となった。旅行需要が急減した観光業も厳しい。

 コロナ禍の収束は見通せず、事業の構造改革が急務である。

 ANAホールディングスは、社員の年収を約3割減らす方針だ。近畿日本ツーリストの親会社は、希望退職などでグループ社員の3分の1を削減すると発表した。

 リストラに加え、新規事業の開拓も重要となる。

 ANAは、マイレージサービスなどで集めた顧客データを使い、ネットで旅行商品を提供するといったビジネスを検討中だ。外食では、宅配や持ち帰りの販売を急速に伸ばす企業がある。

 新たな成長の基盤を切り開く努力を続けてもらいたい。

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1627281 0 社説 2020/11/15 05:00:00 2020/11/15 05:00:00

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