RCEP署名 自由貿易を発展させる土台に

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 人口や国内総生産(GDP)で、世界の3割を占める巨大な貿易圏が誕生する。世界の自由貿易体制を発展させる基盤として活用したい。

 日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)各国、豪州など15か国が地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に署名した。交渉は難航し、約8年を要した。

 日本にとって、最大の貿易相手国である中国や3位の韓国と初めて結ぶ自由貿易協定だ。

 環太平洋経済連携協定(TPP)や欧州連合(EU)との経済連携協定に続く大型の協定であり、合意に至ったことは評価できる。

 貿易・投資の拡大とサプライチェーン(供給網)の効率化が期待される。停滞する日本経済の活性化に生かすことが望ましい。

 参加国の貿易で、関税を撤廃する品目の割合は91%となる。工業製品では、日本から中国への輸出で8%から86%に、韓国向けで19%から92%に高まるという。

 日本に恩恵が大きいのは自動車部品で、電気自動車用の電池素材など、中国向けの約9割で関税が段階的にゼロとなる見通しだ。

 ただ、工業製品で100%近い関税撤廃率となったTPPと比べれば、自由化の水準は低い。

 中韓向けの自動車部品は、関税をなくすまでに10~20年程度かかる品目が多い。完成車は対象外だ。実績を精査しつつ、効果が上がるよう改善に努めてもらいたい。

 協定では、貿易や投資のルールでも合意した。電子商取引で、データ囲い込みのためにサーバーなどを自国に置くよう求めることを禁じるほか、外資企業に技術移転を強要できないようにする。

 中国は、これらのルール整備に向けた交渉には消極的だっただけに、意義は大きい。

 だが、TPPと違い、電子商取引に関し、ソフトウェアの設計図となる「ソースコード」の開示要求を禁止する項目はない。日本は、より厳格なルール作りを働きかけるべきだ。発効後は、協定の履行状況を監視せねばならない。

 インドは昨年秋、中国からの安価な製品の流入を心配して交渉から離脱した。そのため、中国の影響力増大が懸念されている。

 日本はインドと連携し、中国を牽制けんせいする戦略だった。菅政権が目指す「自由で開かれたインド太平洋」でも重要なパートナーだ。

 IT分野に強みを持つインドにも、加盟のメリットはあるだろう。日本はインドの産業競争力の強化に協力しつつ、粘り強く参加を促していく必要がある。

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1631431 0 社説 2020/11/17 05:00:00 2020/11/17 05:00:00

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