日豪首脳会談 自由な海洋秩序へ連携深めよ

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 地域の平和と繁栄を保つには、国際法に基づいて、海洋の自由を守ることが不可欠だ。日本は、豪州とともに、秩序の維持に一層貢献したい。

 菅首相が豪州のモリソン首相と東京で会談し、安全保障で連携を強化する方針で一致した。菅首相にとっては国内で行う初めての首脳会談で、経済や感染症対策などでも協力することを確認した。

 中国が東・南シナ海で強引な海洋進出を続ける一方、米国は政権移行期で外交戦略が見通せない。アジアでの「力の空白」が懸念される中で、日豪首脳が対面して会談し、安保で協調する姿勢を明確にした意義は大きい。

 菅首相は会談で、「自由で開かれたインド太平洋の実現のために、連携を強化していくことを確認したい」と呼びかけた。

 両首脳は共同声明に署名し、自衛隊と豪州軍の共同演習などに関する日豪円滑化協定を締結することについて、大枠合意に達したと表明した。日本にとっては、初めての円滑化協定締結となる。

 協定は、相手国で一時的に活動する際の法的地位を定めるもので、携行する物品の関税を免除し、武器を持ち込む際の手続きも簡素化するという。英国など他の友好国との締結も検討に値しよう。

 豪州軍は東日本大震災の際、被災地で支援活動を行った。効果的な共同訓練や災害救援を実施できるようにするため、協定発効の手続きを急いでもらいたい。

 両首脳は、自衛隊が他国軍の艦船などを守る武器等防護の対象に、豪州を加える方向で調整を進めることでも一致した。米国に続いて2か国目となる。

 豪州は今年、米印海軍と海上自衛隊による海上共同訓練に参加した。中国の独善的な活動を牽制けんせいするためには、法の支配や民主主義といった価値観を共有する日米豪印4か国の結束が大切である。

 12日にオンライン形式で開かれた日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議でも、海洋安全保障での協力を盛り込んだ共同声明が採択された。

 「インド太平洋」構想に対し、中国が「時代遅れの冷戦思考」と反発しているのは的外れだ。そもそも、航行の自由などの原則の重要性を各国に再認識させたのは、南シナ海を軍事拠点化する中国の身勝手な振る舞いである。

 インド太平洋地域の安定には、外交・軍事両面で米国の役割が重要である。日本は関係国と歩調を合わせ、米国に、より積極的に関与するよう促さねばならない。

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1634172 0 社説 2020/11/18 05:00:00 2020/11/18 05:00:00

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