マイナンバー カード発行の目詰まり解消を

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 政府は、社会のデジタル化を政策の柱に位置づけている。マイナンバーカードはその基盤の一つだ。利用したい人に、スムーズに届けられる態勢を整えることが重要である。

 カードの交付率は2割強にとどまる。政府は2022年度末までに、ほぼ全ての国民に行き渡らせることを目標としている。

 1人10万円の特別定額給付金の手続きや、カードを持つ人に最大5000円相当のポイントを還元するマイナポイント事業を通じて、申請数は増加傾向にある。

 政府は今後、オンラインでのカード申請をしやすくするよう、QRコード付きの申請書を全ての未取得者に送付する方針だ。

 一方で、交付の実務を担う自治体の作業が追いついていないことが新たな問題として浮上した。

 申請から受け取りまで通常は約1か月とされるが、3か月以上かかる自治体が出ている。臨時職員の増員や窓口の増設、土日開庁などの措置をとっても、申請の増加に対処しきれていないという。

 混雑回避のため、受け取りを予約制としている自治体も少なくない。この場合、交付通知から1か月も予約が取れない例がある。

 これでは、来年3月のマイナポイント事業の終了に向けた「駆け込み申請」があれば、混乱が拡大するだけだ。交付作業の遅れは、デジタル化全体への不信感を高めることにもなりかねない。

 政府と自治体は連携を強化し、カード発行の目詰まりをなくしていく必要がある。

 政府は交付態勢強化のための補助金を出しているが、財政支援だけでは不十分だ。全国展開するスーパーマーケットや国の出先機関を活用して臨時窓口にするなど、個々の自治体の実情に応じた後押しを強化すべきだろう。

 自治体側も、他部署からの応援で要員を確保している先行事例などを参考に、効果的な人員配置や作業の効率化に努めたい。

 カードの普及は、それ自体が目的ではなく、国民生活の利便性を高める手段である。政府は、そのことを忘れてはならない。

 来年3月からはカードを健康保険証として利用できるようになるという。運転免許証の情報をデジタル化してカードと一体化する計画も進められている。

 国民には、カードを持ち歩くことや悪用への懸念が根強い。機能拡充の意義や安全対策について、政府が丁寧に説明し、国民が自発的に取得したいと思える環境を整えることが本筋である。

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1646280 0 社説 2020/11/23 05:00:00 2020/11/23 05:00:00

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