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国産旅客機凍結 計画の見直しで再出発せよ

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 悲願の国産ジェット旅客機の量産化が、危機にひんしている。開発の経緯を検証し、再開に向けた態勢を整えてほしい。

 三菱重工業が、「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の量産化計画を当面、凍結すると発表した。

 開発が当初の見込みより大きく遅れていたところに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う旅客需要の激減が追い打ちをかけた。

 コロナ禍による事業環境の急変は、想定外であろう。凍結の判断はやむを得まい。

 飛行試験を見合わせ、開発費を今後3年間、大幅に圧縮するほか、人員の配置も見直す方針だ。量産化は、早くても2024年度以降になる見通しだという。

 取り組みの態勢は縮小しても、主な輸出先の米国や日本で、就航に必要な「型式証明」が取得できるよう、努力を続けてほしい。

 再開までの間、なぜ開発が難航したのかを分析し、今後に生かしていくことが重要となろう。

 国産旅客機の開発は、プロペラ機の「YS―11」以来、半世紀以上、遠ざかっている。

 三菱重工は当初、13年の納入開始を計画していた。その後、製造工程の見直しや電気配線の設計変更などにより、6度にわたって延期を繰り返した。

 米ボーイングなどに航空機部品を供給しているが、自力で航空機全体を設計・製造するノウハウが十分ではなかったのだろう。

 開発初期は自前主義にこだわり、方針転換して外国人技術者を大量に雇用した後も、日本人技術者との連携がうまくいかなかったことが要因と指摘されている。

 三菱重工が1兆円規模の費用を投じ、国も約500億円の補助金を出した一大プロジェクトだ。すでに、国内外の航空会社から約300機を受注している。

 航空機産業は、裾野が広い。スペースジェットの部品は約100万点にのぼり、自動車の約3万点よりはるかに多い。調達する部品の3割が国産になる予定だ。

 部品産業を育て、製造業の基盤を強化する狙いもあっただけに、開発が遅れた影響は大きい。

 三菱重工の泉沢清次社長は「立ち止まるという判断をしたことについては、申し訳なく思う」と述べた。下請け企業や納入先への説明を尽くしながら、培った技術の維持に努めることが大切だ。

 政府にも、「日の丸ジェット」の開発を強く後押しした責任があろう。コロナ後を見据えた支援策の検討を進めてもらいたい。

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1647587 0 社説 2020/11/24 05:00:00 2020/11/24 05:00:00

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