GoTo見直し 政府は混乱回避へ責任果たせ

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 新型コロナウイルスの感染状況に応じ、臨機応変に政策を軌道修正するのは当然だ。混乱が広がらぬよう、万全の措置を講じるべきである。

 政府が需要喚起策「Go To キャンペーン」の運用見直し策を発表した。

 観光支援の「Go To トラベル」では、感染拡大地域を目的地とする旅行について、新規の予約に加え、予約済みの場合も補助対象から外す方針を示した。札幌、大阪の両市は、12月15日まで対象から除外するという。

 東京都を含む都市部では、病床の使用率や感染経路が不明な患者の割合が高まり、感染状況が2番目に深刻な「ステージ3」に近づいているとの見方が出ている。

 経済活動と感染防止の両立は必要だが、今は感染の抑止に比重を移すべき局面である。政府は強いメッセージを発して、国民に協力を呼びかけることが大切だ。

 政府は、感染拡大地域から出発する旅行については、引き続き割引対象とした。都市部の住民が旅行を控えた場合、事業の効果が薄れると懸念しているのだろう。

 だが、それでは地方に感染を広げる可能性もあり、かえって経済の早期回復を阻害する結果にならないかと心配されている。感染が拡大し続けた場合には、柔軟に見直すことが不可欠だ。

 一方、政府は、飲食店を支援する「Go To イート」で、食事券の発行やポイントの利用を控えるよう、事業者や住民に求めることを知事に要請した。

 トラベル、イートともに、様々な判断が知事に委ねられている。国と地方が緊密に連携し、実情を踏まえて効果的に対処することが重要だ。政府は、具体的な指針を示してもらいたい。

 今回の見直しで、旅館や飲食店などにキャンセルが殺到する恐れもある。官民が協力し、予約サイトのシステムなどに支障が生じないように注意してほしい。

 政府は、自治体が事業者に営業時間の短縮を要請できるよう、臨時の交付金を追加で配分する方針だ。今年度2回の補正予算で計上した予備費も活用し、自治体の財政を下支えせねばならない。

 コロナ対策を担う西村経済再生相は先週、今後の感染状況に関して、「神のみぞ知る」と述べた。先行きが見通せないとはいえ、無責任と受け取られかねない。

 多くの人が移動する年末年始を控えて、菅首相が今後のコロナ対策を明確に示し、国民に理解を求めることが大事だ。

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1650564 0 社説 2020/11/25 05:00:00 2020/11/25 05:00:00

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