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アフガン情勢 米軍を削減できる状況にない

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 アフガニスタンに駐留する米軍は、テロを抑止し、和平プロセスを促進する役割を担っている。アフガン政府の統治が安定するまで、適正な規模を維持することが望ましい。

 トランプ米大統領が、アフガンの米軍を現行の4500人から2500人に削減することを決めた。来年1月の任期満了を控え、「米軍撤収」の公約実現をアピールした側面が大きい。

 現地の治安情勢が好転したわけではない。政府軍と旧支配勢力タリバンは約20年にわたって戦闘を続けている。タリバンは国土の2割を支配下に置き、政府が実効支配する地域は半分に満たない。

 過激派組織「イスラム国」も勢力を拡大するなか、駐留米軍や北大西洋条約機構(NATO)部隊が治安維持を支えてきた。

 NATOが「アフガンは再び国際テロリストの巣窟になりかねない」と、米軍撤収に懸念を示したのは当然である。2011年にイラクから米軍が撤収した隙を突いて、「イスラム国」が台頭した歴史を繰り返してはならない。

 アフガン政府とタリバンは米国の仲介で、停戦と将来の政権構想に関する協議を始めたが、まだ論点整理にとどまっているという。解決すべき課題は多い。

 停戦の実現には、約8万人のタリバン戦闘員を武装解除させ、新たな任務を与える必要がある。

 イスラム教の教義に基づく厳格な統治を目指すタリバンを、現政権の世俗的な政治体制に組み込んでいくのも容易ではない。協議の難航と長期化は必至だ。

 アフガン政府の後ろ盾となっている米軍を縮小することは、交渉でのタリバンの立場を優位にするだけではないか。米国は今後の撤収計画について、アフガンや関係国との調整を尽くすべきだ。

 長年の内戦と混乱で、アフガン政府は予算の半分を外国からの援助に依存している。

 11月に開かれた復興支援会議では、約70か国が21年からの4年間で計1兆2500億円を拠出すると表明した。4年前の前回会議と比べ、約2割減っている。

 拠出を1年限りとし、和平の進展や汚職対策を継続の条件にした国もある。国際社会の「支援疲れ」の表れと言えよう。アフガン政府は深刻に受け止め、統治能力の向上に努めねばならない。

 日本は農業や教育などの分野で地道な支援を続けてきた。現地の治安が改善し、政治の安定と国家の自立が実現してこそ、巨額の援助が生きることになる。

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1673165 0 社説 2020/12/04 05:00:00 2020/12/04 05:00:00

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