ひとり親世帯 年末年始の生活困窮を防げ

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 新型コロナウイルスの感染拡大は、ひとり親世帯の家計に深刻な影響を与えている。困窮に陥らないよう、適切な支援を講じることが重要だ。

 政府はコロナ対策として、ひとり親で収入の少ない世帯に対し、臨時特別給付金を再支給することを決めた。年内に届くよう、自治体と十分に連携してほしい。

 今夏に続く2度目の支給で、予備費を活用して約740億円を確保している。給付金は、子供1人の場合は5万円、第2子以降は1人3万円だ。子供1人の場合、年間の収入が365万円までの世帯が対象の目安となる。

 厚生労働省によると、子供がいる世帯全体の平均収入は約750万円であるのに対し、母子世帯は約310万円にとどまっている。不安定な非正規雇用で働く母親が多く、経済的基盤が弱い。

 コロナ禍で就労時間が短縮されるなどして収入が減り、生活は一層苦しくなっている。支出がかさみがちな年末年始に向けて、家計を下支えすることが大切だ。

 厚労省の委託調査で「年末に向けての暮らし向き」を聞いたところ、ひとり親世帯では「苦しい」という回答が60%で、それ以外の世帯より10ポイント以上高かった。直近1か月で必要な食料を買えない経験があった人も35%に上った。

 感染の急拡大により、厳しい雇用情勢は今後も続く見通しだ。重層的な支援が必要となろう。

 政府は、ひとり親世帯に限らず、困窮家庭に対して生活費を貸し付ける制度を拡充している。

 休業で収入が減少した世帯などを対象とした緊急小口資金は、貸付額の上限を10万円から20万円に増やした。最長で6か月にわたって月20万円まで貸す総合支援資金は、コロナで収入減となった世帯も対象に加えた。

 両制度とも年末までの特例だったが、政府は、来年3月まで期限を延長する方針だ。窓口となる社会福祉協議会とともに、制度の周知に努めてもらいたい。

 生活基盤を強化するため、就労支援にも力を注ぐべきだ。

 東京都江戸川区は、担当の総合相談窓口を設けている。専門知識を持つ相談員が個別に支援計画を立て、ひとり親世帯に理解のある企業の採用面接にも同行するという。生活設計や子育ての相談に応じ、関係機関につないでいる。

 母子家庭では、離婚後に養育費が支払われていない例が多い。子供の貧困を招かないように、政府は、養育費の不払いをなくすための対策を急がねばならない。

スクラップは会員限定です

使い方
「社説」の最新記事一覧
1715323 0 社説 2020/12/21 05:00:00 2020/12/21 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)