コロナ変異種 機敏な検知で拡大を抑えよ
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通常のウイルスよりも感染力が強いとされるため、厳重な警戒が必要である。空港での水際対策を強化し、国内での
新型コロナウイルスの変異種が国内の感染者から相次いで見つかった。主に英国からの帰国者とその家族で、空港検疫や宿泊施設での待機中などに判明した。
変異種は最初に英国で見つかった。増殖に伴って遺伝情報が変化し、感染力が最大1・7倍に強まったとされる。今のところ重症化しやすいとの報告はないが、国内で広がると感染者が急増し、医療体制をさらに圧迫しかねない。
感染者の中には、航空機のパイロットも含まれていた。運航に支障が出るとして空港検疫の対象外になっていたため、そのまま帰宅し、発症したという。
今回の事態を受け、国土交通省は航空会社に対し、国際線の乗員への定期的な検査を要請した。各社は徹底してもらいたい。
政府は来年1月末まで、全世界からの外国人の新規入国を一時停止した。日本人や日本在住の外国人が海外に短期出張した場合に免除されていた帰国後14日間の待機も再開するという。緊急の対策として妥当な措置と言えよう。
ただ、中国や韓国などとのビジネス関係者の往来は、引き続き認められる。これらの国についても今後、感染状況を見極め、機敏に対応することが重要だ。
英国で変異種が見つかったのは、ウイルスの遺伝情報であるゲノムの解析を大規模に行っているからだ。日本でも一定数の感染者に実施しているが、英国に比べると圧倒的に件数は少ない。
変異種の広がりをいち早く検知することが大事だ。国は大学や研究機関と緊密に連携し、解析数を増やすことも検討すべきだ。
新規感染者数は首都圏を中心に増加を続けている。政府は、観光支援策「Go To トラベル」を1月11日まで全国一斉に停止した。来年の通常国会には、新型インフルエンザ対策特別措置法の改正案を提出する方針だ。
最近は国民の「コロナ対策疲れ」も深刻化している。政府や自治体が「外出を控えてほしい」と呼びかけても、思うように人出が減らないという状況がある。
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