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ミャンマー政変 国際連携で平和解決を促せ

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 ミャンマーが10年間かけて築いてきた民主主義が踏みにじられ、軍事政権が実質的に復活したといえよう。日米欧は連携し、事態収拾へ働きかけを強めねばならない。

 ミャンマー軍が非常事態宣言を発令し、最高司令官が立法、行政、司法の全権を掌握したと発表した。政権トップのアウン・サン・スー・チー国家顧問は拘束され、自宅軟禁下に置かれた。

 スー・チー氏率いる与党・国民民主連盟(NLD)は、昨年11月の総選挙で圧勝していた。その議会の招集日を狙ったクーデターである。民意を無視する暴挙は断じて許されない。

 軍は、総選挙での「不正」を主張し、非常事態宣言は憲法に基づくと正当化しているが、無理がある。選挙は国際監視団の参加のもとで行われ、選管当局も「公正だった」と結論づけている。

 民政下でも、軍は強大な政治的影響力を保ってきた。軍政時代の2008年に制定された現行憲法は、議席の4分の1を「軍人枠」とし、軍の意向に反する改憲を困難にするなど、その特権的な地位を保障している。

 それにもかかわらず、なぜ軍はクーデターに踏み切ったのか。

 総選挙で軍系の政党が惨敗し、軍政を警戒する民意が示されたことから、軍の支配力低下への危機感が高まったとの見方が有力だ。NLDが軍の影響力を排除する改憲を進めていることへの不満も強かったとみられている。

 スー・チー氏はかつての軍政下で民主化運動を主導し、5年前から国政を担ってきた。1期目は、軍への配慮が目立ち、イスラム系住民ロヒンギャの迫害問題では国際的な批判も招いたが、国内では高い人気を保っている。

 スー・チー氏は、国民に「全面的な抗議」を呼びかける声明を出す一方、軍は首都での部隊展開や道路封鎖などで統制を強めている。主要閣僚の軍出身者への交代も発表された。このままでは、民主化の道が閉ざされる。

 東南アジアでは、タイでも軍主導の政権が支配を続け、中国との関係を深めている。中国はミャンマー情勢でも、「内政不干渉」を盾に、軍政を国際社会の圧力から守ろうとするだろう。

 バイデン米大統領は、軍に権力を手放すよう要求し、経済制裁の復活を警告した。茂木外相は重大な懸念を示し、「民主的な政治体制の早期回復」を求めている。

 日本は米欧と歩調を合わせながら、平和的解決を促すべきだ。

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1816235 0 社説 2021/02/03 05:00:00 2021/02/03 05:00:00

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