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車の半導体不足 「産業のコメ」確保に知恵絞れ

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 世界的に自動車向け半導体の不足が深刻化している。サプライチェーン(供給網)を再点検し、官民で安定調達の道を探らねばならない。

 トヨタ自動車や日産自動車、ホンダなどの日本企業のほか、独フォルクスワーゲン、米フォード・モーターなど世界の自動車産業が、半導体の調達難で軒並み減産に追い込まれている。

 日米独の政府が、世界最大の生産拠点である台湾に増産を依頼する異例の事態となっている。日本は多くを輸入に頼っているとされ、当面は台湾への働きかけを強めるとともに、代替生産できる企業の確保に努めるしかない。

 不足の原因は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2020年上半期に自動車の生産台数が減り、半導体の発注を絞った後に、需要が急激に回復したことだ。

 各社が慌てて調達を増やそうとしたが、外出自粛でパソコンやスマートフォン向けの需要が伸び、生産余力が乏しくなっていた。

 半導体市場で車向けは約1割にすぎず、先端のものではないため利幅が薄い。メーカーは増産に消極的だという。不足の解消には半年以上かかるとの見方がある。

 半導体は、電気製品や車など、あらゆる工業製品に欠かせない「産業のコメ」と呼ばれる。

 とりわけ車用の需要は、電気自動車(EV)や自動運転の普及とともに今後、さらに増えていくはずだ。その調達力が、日本の自動車産業の競争力を左右しよう。

 従来の系列部品会社との取引とは異なり、電子機器メーカーとも競合する。半導体会社と協調しながら、新たなサプライチェーンを作り直していく必要がある。

 日本の半導体産業の再生も課題だ。1980年代後半、NECや日立製作所などの日本勢が世界市場を席巻した。しかし、日米半導体摩擦や円高で競争力をそがれ、巨額投資で技術力を高めた韓国や台湾の企業に後れを取った。

 「日の丸半導体」を守ろうと政府主導で再編を進めたが、寄り合い所帯で意思決定が遅く、積極投資ができなかった。1社は経営破綻して米企業に買収された。

 現在、シェア(市場占有率)で世界10位以内は、9位のキオクシア(旧東芝メモリ)だけだ。

 ただ、日本には半導体の製造装置や部材で、世界上位の企業が多い。海外企業の工場を誘致し、連携することが有力な選択肢だ。

 政府は過去の失敗を検証し、キオクシアなど、国内企業の強化策も検討してもらいたい。

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1821613 0 社説 2021/02/05 05:00:00 2021/02/05 05:00:00

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