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露反体制派拘束 人権無視の露骨な政治弾圧だ

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 ロシアのプーチン政権が、反体制派の中心人物を執拗しつように葬り去ろうとしている。人権侵害の政治弾圧を直ちに停止し、政権批判の広がりを真摯しんしに受け止めるべきだ。

 反政権運動の指導者ナワリヌイ氏が、ドイツからロシアに帰国した直後に拘束された。過去の詐欺事件で執行猶予付きの判決が確定していたが、猶予期間中に定期連絡を怠ったとして、実刑が科される見通しとなった。

 道理に合わないことばかりだ。ナワリヌイ氏は、詐欺事件は政治的動機に基づいた捏造ねつぞうだと主張し、欧州人権裁判所も有罪判決は「不当だ」と認定している。

 そもそも、ナワリヌイ氏は昨年、猛毒の神経剤で殺害されそうになり、ドイツの病院で療養していた。毒殺未遂事件では、露政府の関与が疑われている。

 プーチン政権がまず取り組むべきは、事件の真相解明ではないか。ナワリヌイ氏の実刑を決めた裁判所の判断に、政敵排除をもくろむ政権の意向が反映されたとみられても仕方あるまい。

 政権に抗議し、ナワリヌイ氏の釈放を求める運動がロシア全土で起きている。1月に行われたデモは200もの都市に広がり、計約1万人が一時拘束された。

 当局の威嚇を恐れず、初めて参加する人や若者が多いのが特徴だという。政権批判が厚みを増していることの表れだろう。平和的なデモを暴力で押さえ込む政権の姿勢は許されない。

 デモ拡大の背景には、長期政権下での経済低迷やコロナ禍などによる国民の閉塞へいそく感がある。

 ナワリヌイ氏側が、「プーチン氏の豪華な宮殿」として暴露した動画は、視聴回数が1億回を超えた。プーチン氏は否定したが、友人の富豪が「所有者」と名乗り出たことで、政権中枢の腐敗への憤りは確実に高まっている。

 プーチン氏は、昨年の憲法改正により、最長で2036年までの大統領続投が可能になった。大統領経験者の不逮捕特権や終身上院議員となる権利も手に入れた。

 強権支配がいったん緩めば、自らの地位が脅かされかねないという恐れの裏返しだろう。

 プーチン氏と与党「統一ロシア」の支持率が低下傾向にある中で、政権が9月の下院選に向けて、社会の統制をさらに強めていくことが懸念される。

 国際社会は結束し、ナワリヌイ氏の即時、無条件の釈放や人権状況の改善をロシア側に求め続けねばならない。

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1823585 0 社説 2021/02/06 05:00:00 2021/02/06 05:00:00

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