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小林化工処分 不正の数々にあぜんとする

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 長年にわたり、会社ぐるみで製造手順の不正や品質試験結果の捏造ねつぞうを行っていた。人の命を守るべき製薬会社として、信じ難い裏切り行為だ。

 爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤の成分が混入した問題で、福井県が、薬を製造した「小林化工」に116日間の業務停止命令を出した。医薬品医療機器法に基づく措置で、過去最長の処分だ。

 服用した人の7割を超す200人以上が意識消失などの健康被害を訴え、2人が死亡している。結果の重大性からすれば、処分はこれでも軽すぎるだろう。

 混入の経緯は、従業員が厚生労働省の承認した手順に反した作業を行い、その際に薬の材料を取り違えたことが判明していた。その後の県の調査では、他の薬も含め、経営幹部も認識していた違反行為が、新たに多数確認された。

 社内には、承認されていない製造工程を記した「裏手順書」が存在した。出荷前の品質試験では、結果を捏造したケースもあった。いずれも薬の安全性に関わる不正で、憤りを禁じ得ない。

 全製品の7割超で、虚偽の製造記録をつけていた。行政の調査で不正が発覚することを免れるための隠蔽いんぺい工作とみられている。

 不正は2005年頃から行われ、試験結果の捏造に至っては1970年代から続いていたという。小林広幸社長は、記者会見で「ルールより作業効率を優先してしまった」と述べた。安全軽視の姿勢にあぜんとするほかない。

 経営幹部が不正を指示したことはなかったのか。社長は十数年前から実態を把握していたという。第三者委員会のほか、捜査当局にもしっかり調べてもらいたい。

 小林化工は安価なジェネリック医薬品(後発薬)で業績を伸ばした。急成長に伴い、社員数を増やしたが、知識や技能の指導を十分に行わなかった責任は重大だ。

 後発薬は医療費の削減につながるとして、国が普及を促進しており、利用が増えている。今回の不正は、官民で積み上げた信頼を根底から揺るがしかねない。小林化工は厳しい非難を免れない。

 行政にも反省すべき点がある。福井県は年に数回、立ち入り調査をしていたが、不正を見抜けなかった。小林化工はこれまでも薬の自主回収を重ねており、厳格に対応する必要があったはずだ。

 業界の信頼回復が急務である。各社が薬の製造工程などを改めて点検するのはもちろん、行政も抜き打ち調査の実施などで、チェック機能を強化せねばならない。

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1835215 0 社説 2021/02/11 05:00:00 2021/02/11 05:00:00

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