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WHO武漢調査 中国の主張追認に失望した

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 新型コロナウイルスの発生源に関する現地調査がようやく実現したが、実態解明にはほど遠く、中国側の主張をほぼなぞる結果となった。

 世界保健機関(WHO)の国際的な信頼を損なう事態に、失望を禁じ得ない。

 世界で最初に新型コロナが流行した中国の武漢で、WHOがウイルスの発生源や感染経路に関する初の調査を行った。集団感染が起きた海鮮市場などを訪問したが、明確な結論は出ず、周辺国も含めて調査を継続するという。

 中国は既に市場を閉鎖している。有力な物証は残されていまい。手がかりとなる感染者のデータを提供したのかも不透明だ。調査はあまりにも遅すぎたと言える。

 武漢で昨年1月に感染が拡大した際、中国の対応は遅れた。当局は異変を告発した医師を処分し、情報を隠蔽いんぺいした。WHOが2月と7月に専門家を派遣した時も、中国は「終息が先だ」などとして、積極的に協力しなかった。

 中国は、武漢がウイルスの発生源との見方を強く否定し、「外国起源説」を宣伝している。自国が関わりがないと言うのなら、WHOの本格調査をいち早く受け入れ、真相の解明に真摯しんしに協力すべきだったのではないか。

 習近平政権は、「コロナとの戦いに勝利した」として、共産党統治の優位性を主張している。感染症対策に必要な国際協調に背き、自国の影響力拡大を図る姿勢が各国の信頼を損ねていることを認識しなければならない。

 WHOは、今回の調査で「中国寄り」との批判を払拭ふっしょくできなかった。トランプ前米政権が唱えた「武漢ウイルス研究所からの流出」説を否定する一方、中国側が強調する「輸入冷凍食品由来」説は引き続き調査するとした。

 中国側からどのようなデータを得て、今後の調査にどう生かすのかをきちんと説明しなければ、信頼回復は困難だろう。新たなウイルスの大流行を防ぐうえでも、発生源調査を徹底して行い、結果を公表することが不可欠だ。

 本来は、ウイルスの感染が広がり始めた段階で、WHOが現地調査を実施すべきだったが、中国側の拒否を覆せなかった。

 調査対象国の主権が優先され、自発的な協力を待つしかない仕組みには問題が多い。今回の事態を機に、改革を急ぐ必要がある。

 感染情報の共有や調査受け入れで各国が責務を果たす制度になるよう、米欧と日本は結束し、中国に協力を促さねばならない。

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1835216 0 社説 2021/02/11 05:00:00 2021/02/11 05:00:00

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