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コロナワクチン 「囲い込み」の過熱を懸念する

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 新型コロナウイルスを抑え込むため、世界各国がワクチンの確保を急いでいる。自国の感染収束を優先するのは理解できるが、競争が過熱気味なのは懸念材料だ。

 ワクチンの「囲い込み」が進んで途上国に行き渡らなくなれば、世界的な封じ込めも、経済活動の正常化も遅れて、先進国を含めた世界全体にとってマイナスとなる。国際協調に基づく供給の枠組みを機能させることが必要だ。

 ワクチンは、日本を含む約80か国で接種が始まった。イスラエルでは人口の約5割、英国は2割以上、米国では1割以上が、少なくとも1回の接種を受けている。

 感染者や死者数が多い欧米諸国ではこれまで、出入国規制の厳格化やロックダウン(都市封鎖)など厳しい制限措置を強いられ、経済に大きな打撃となってきた。

 社会・経済活動の正常化を早める切り札としてワクチンにかける期待が大きいのはうなずける。

 先進国の多くは米ファイザーや英アストラゼネカなどの製薬会社と個別に契約し、必要量の確保を図っている。製薬会社の生産が遅れ、需要に追いつかない現状から囲い込みの動きが出始めた。

 欧州連合(EU)は域内で生産されたワクチンの輸出について、EUの事前承認を必要とする制度を導入した。EUの契約枠の供給が後回しにならないよう、製薬会社に圧力をかけたといえる。

 日本は欧州で生産されたワクチンを輸入しているため、入荷の見通しをつけにくくなった。世界保健機関(WHO)は利己的な「ワクチン・ナショナリズム」に警鐘を鳴らした。当然の指摘だ。

 アフリカや中南米、アジアなどの発展途上国では、中国製やロシア製、インド製のワクチンの供給が広がっている。中国は、53か国・地域で無償供与を進め、ロシアも旧ソ連諸国や中東などに提供しているという。

 途上国には恩恵となるが、中露はワクチンに関する情報を十分に公開していない。中国は自国の感染を人の移動の管理で抑え込む一方、ワクチンは主に輸出に回し、国際的な影響力拡大につなげようとしているとの批判もある。

 ワクチンの政治利用を防ぎ、途上国に効果的に配るには、WHOが主導する国際的な共同購入・分配の枠組みの活用が望ましい。

 枠組みへの資金拠出が不足している中で、先進7か国(G7)は支援強化の方針を表明した。欧米と日本は国際協調に基づく分配を主導しなければならない。

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1857480 0 社説 2021/02/21 05:00:00 2021/02/21 05:00:00

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