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地方行政とAI 職員減克服のカギとなるか

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 人口減により、多くの地方自治体で職員が不足するのは避けられない。事務手続きの簡素化や、人工知能(AI)の活用を通じて住民サービスを維持する必要がある。

 総務省の試算では、全国の市区町村職員数は2040年に、13年に比べて10~20%程度減るという。住民の問い合わせへの対応や手書き資料のデータ入力、議会の議事録作成などの負担が一段と重くなるのは確実だ。

 AIはコンピューターが大量の情報を処理し、分析や判断を自動的に行う。業務を省人化できれば、福祉など人員が不足している部門に職員を回すことができる。

 職員減の解決策としてAIを活用する方向性は妥当だ。

 AIの導入率は、都道府県の68%、政令市の50%に対し、市区町村は8%にとどまっている。小規模な自治体が財政難や人材不足のために、二の足を踏んでいる様子がうかがえる。

 政府はAI化を促進するため、来年度、複数の自治体が共同でAIを導入する際の財政支援を拡充する方針だ。自治体が単独で導入する場合は、国が経費の3割を負担するのに対し、共同導入なら5割を負担するという。

 共同導入で小規模自治体の負担が軽減することが期待される。入力情報が多いほどAIの精度が増す点も考えれば、広域連携は理にかなっていると言えよう。

 人口5万人以下の自治体が多い奈良県では、県と8市町がホームページなどで問い合わせに自動応答するサービスを共同導入し、24時間対応している。県が主導し、参加を募ったという。

 小規模な自治体には、専門知識を持つ職員が乏しく、AIに対する首長や議員の関心が低い場合も少なくない。都道府県などが「まとめ役」として、先進事例の共有や自治体間の調整で積極的な役割を果たしてもらいたい。

 日本の行政のデジタル化は遅れており、国は自治体によってバラバラな基幹システムの仕様の標準化を進めている。

 AI化の促進はこれとは別の取り組みだが、投資の重複を避け、改修などの負担を減らす重要性は変わらない。仕様の統一や互換性への目配りが不可欠である。

 将来的には、AI導入に成功した自治体の例を参考に、国が標準仕様を定め、市区町村への普及を図るべきではないか。

 国と自治体の連携を密にして、デジタル化と行政手続きの効率化を加速させなければならない。

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1862781 0 社説 2021/02/24 05:00:00 2021/02/24 05:00:00

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