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障害児支援 制度悪用した不正を見逃すな

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 障害のある子供が利用する「放課後等デイサービス」で、報酬の不正請求が相次いでいる。国や自治体は監視を強化しなければならない。

 放課後デイは児童福祉法に基づき、自治体の指定を受けた施設が、小中高校や特別支援学校に通う発達障害、知的障害などの子供を放課後と休日に受け入れる制度だ。生活能力の向上が目的で、職員が工作や運動などを支援する。

 読売新聞の調査では、不正請求で行政処分を受けた施設は2012年以降、179か所、総額約17億円に上った。職員の勤務記録や子供の利用日数を改ざんし、利用料を水増ししていた。

 施設の利用料は1回1万円前後で、その9割を国や自治体が負担している。不正請求は、この支援制度を利用し、公金をだまし取る悪質な行為だと言えよう。

 処分を受けた施設が、不正請求分の返還を求められたり、指定を取り消されたりしているのは当然だ。厳しく対処すべきである。

 施設は年々増え、1万5000か所に上っている。利用者数も20万人を超えた。障害のある子供の居場所を求める声が高まり、従来の社会福祉法人などに加え、企業の参入が相次いだ。営利目的の事業者の増加も指摘されている。

 同様の不正を行っている施設は他にもあるのではないか。国や自治体は調査を徹底すべきだ。

 国は3年に1回、実地指導を行うよう自治体に求めているが、施設数の急増に追いついていない。東京都は7施設で計約3億円を不正受給した事業者に、一度も指導をしていなかったという。

 厚生労働省も自治体の行政処分や不正請求の金額を十分に把握できていなかった。自治体の処分情報を迅速に集約し、悪質な事業者への対策に生かす必要がある。

 施設のサービスの質も懸念されている。利用者にテレビを見せたり、ゲームをさせたりするだけの施設もあるという。職員による虐待のほか、施設の管理者が女児に自宅の犬小屋を清掃させていたケースなどもあった。

 多くの職員を配置して、手厚く支援している施設ほど、経営は厳しい。国はサービス内容の充実度に応じて報酬額を決める仕組みの導入も検討すべきではないか。

 悪質な施設の横行によって、優良な施設まで立ちゆかなくなることがあってはならない。

 利用者側が悪質な施設をすぐに見抜くのは難しい。国や自治体は、実態調査や行政処分の情報などを適切に開示することが重要だ。

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1873407 0 社説 2021/02/28 05:00:00 2021/02/28 05:00:00

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