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大震災10年 生活の再建支え孤立防ぎたい

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 約2万2000人の死者・行方不明者を出した東日本大震災の発生からまもなく10年となる。国や自治体は、地域社会の再生を支援し、被災者の自立した暮らしにつなげたい。

 津波の被害を受けた岩手、宮城、福島の3県では、昨年末に最後の災害公営住宅が完成し、計約3万戸の整備を終えた。宅地の造成も終了し、岩手、宮城両県では仮設住宅が解消される。

 被災した人たちは、新たな生活を築き始めている。震災で傷ついた人たちが、前を向いて暮らすことができるよう願う。

 被災地では、高齢化が進んでいる。災害公営住宅の入居者の4割が65歳以上で、独居や高齢夫婦だけの世帯も多い。それまで暮らした仮設住宅を離れ、知人が少ない土地に移り住むため、引きこもりがちになる人もいるという。

 コロナ禍で、入居者が集うイベントの開催などが難しくなっている。入居者が地域になじめるよう、自治体は交流の機会の確保に知恵を絞ってもらいたい。

 盛岡市には、市の委託で5人の生活支援相談員が常駐し、入居者の見守りや生活相談を行う災害公営住宅がある。行政はNPOや社会福祉協議会と連携し、こうした取り組みを広げてほしい。

 高齢化に加え、人口の減少も被災地が直面している課題だ。

 岩手県陸前高田市では、大規模なかさ上げ工事で海抜10メートルの市街地を完成させたが、事業の遅れもあって6割が空き地のままだ。震災前に約2万4000人だった人口は10年間で2割以上減った。

 東京電力福島第一原子力発電所事故が起きた福島県には、今も住民が帰れない区域がある。避難指示が解除された区域でも、医療・介護施設や商業施設が元通りになっていないなどの理由で、住民の帰還が進んでいない。

 避難先での暮らしが長くなり、すでに地元に帰らないと決めている住民も多い。こうした現実を踏まえて、国や自治体は、地域をどのように形づくっていくのか、長期的な展望を描く必要がある。

 被災地の復興状況は、地域によって大きく異なる。これからは、個々の住民の実情に応じたきめ細かい支援が重要になるだろう。

 家族や大切な人を失った被災者の心の傷は、今なお深い。

 政府が3県に設置した心のケアセンターには、毎年計約2万件の相談が寄せられる。子供が不眠や不登校の悩みを訴えるケースもある。被災者に長く寄り添える人材の確保も忘れてはならない。

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1873408 0 社説 2021/02/28 05:00:00 2021/02/28 05:00:00

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