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CO2再利用 日本の技術力を生かせるか

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 2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする政府の目標は、あらゆる手立てを講じなければ達成が難しい。

 有力な手段として、産業界では二酸化炭素(CO2)を回収・再利用する「カーボンリサイクル」の取り組みが始まっている。日本が強みを持つ分野とされ、実用化と普及を急ぎたい。

 大成建設は、CO2をコンクリートに封じ込める新たな技術を開発した。セメントの代わりに、工場の排ガスなどから回収したCO2で炭酸カルシウムを生成し、水や砂などと混ぜるという。30年頃の商用化を目指している。

 旭化成は、世界で初めてCO2を原料としたプラスチックを製品化し、すでに自動車やパソコンなどの部品に使われている。

 いずれも、コストが高いという難点がある。量産化とコストの低減の方策を探ってもらいたい。

 温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするには、電力会社などエネルギー企業の貢献が不可欠だ。

 太陽光や風力などの再生可能エネルギーを増やしていかねばならないが、これらは天候によって発電量が不安定でコストも高い。再生エネだけでは、国内の産業活動を支え切れない可能性がある。

 カーボンリサイクルが普及すれば、石油や液化天然ガスなどの化石燃料を使った火力発電を一定程度、続ける道が開けることになる。エネルギーの安定供給にも資する技術だと言えよう。

 製造工程でCO2の排出をなくすことが困難な鉄鋼メーカーなどの負担軽減にもつながる。

 政府は昨年末にまとめたグリーン成長戦略で、カーボンリサイクルを重点分野に位置づけた。

 20年度第3次補正予算では、脱炭素技術の開発を後押しする2兆円規模の基金を設けることを決めており、これらを活用しながら最大限の支援に努めるべきだ。

 CO2を地中に貯留する技術にも期待が集まっている。経済産業省は、北海道で製油所の排ガスをパイプで海底に引き込み、CO2を分離して地層に封じ込める実証実験を行っている。

 政府は、シェールオイルなどを産出する石油産業を抱える米国との共同研究を進めている。海外との連携強化を通じて、実用化の時期を早めていきたい。

 一方、カーボンリサイクルの成果を温室効果ガス削減の実績に反映する仕組みについては、国際的なルールがまだ整備されていないという。政府は、世界の基準作りにも注力する必要がある。

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1874962 0 社説 2021/03/01 05:00:00 2021/03/01 05:00:00

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