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文大統領演説 日韓の信頼回復につながるか

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 日韓関係の改善は双方の国益にかない、地域の安定にも資する。韓国の文在寅大統領が、こうした現実的な認識を示したことは評価できる。

 具体的な行動で、両国間の信頼回復につなげてもらいたい。

 文氏が、日本の植民地支配に対する「3・1独立運動」の記念式典で演説した。日本との歴史問題の解決に取り組み続けると強調する一方、「両国の協力と未来の発展に向けた努力も、とどまることなく行う」と述べた。

 「韓国政府はいつでも日本政府と向き合い、対話する準備ができている」とも語り、対日関係改善への意欲を示した。

 日韓の過去数十年間の歴史について、文氏が「韓国の成長は日本の発展を支え、日本の成長は韓国の発展を支えた」と指摘した点は注目される。

 1965年の日韓国交正常化後の互恵関係に目を向けたのは、これまでの文政権に見られなかった姿勢だといえよう。

 韓国の裁判所が、元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)や元慰安婦への賠償支払いを日本側に命じる判決を出した問題を巡り、両国の関係は停滞が続いている。

 国交正常化に伴う諸合意や2015年の慰安婦合意を否定するような司法判断に、日韓関係全般が振り回されている。

 文氏は今回の演説で、こうした問題や対立には言及せず、対日批判を抑えた。日韓改善が進まなければ、米韓関係をはじめ韓国の外交全般に悪影響が及ぶことを認識したのだろうか。

 事態の打開を望むのであれば、元徴用工や元慰安婦を巡る問題について、文氏は誠意をもって具体案を示すべきだ。

 バイデン米政権は、日米韓の連携で北朝鮮の脅威に対処する方針を示している。日韓関係の改善を促してくるのは間違いない。日本側も、韓国が検討に値する解決策を示してきた場合には、対話を促進していく必要があろう。

 文氏は、7月に予定される東京五輪が日韓、南北、日朝、米朝の「対話の機会になりうる」との期待を示し、成功に向けて協力する姿勢を強調した。

 文氏の残り任期は1年2か月となっている。公約に掲げた南北関係の進展で成果が乏しいなかで、「五輪外交」を突破口にしたいと考えているのだろう。

 朝鮮半島の安定に寄与するなら五輪を舞台にした対話は歓迎できるが、融和ムードの演出に利用されることがあってはなるまい。

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1878571 0 社説 2021/03/02 05:00:00 2021/03/02 05:00:00

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