読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

サンマ漁獲規制 合意の履行には監視が必要だ

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 「庶民の味」であるサンマの不漁が、深刻さを増している。関係国・地域が国際合意を守り、取り過ぎを防ぐことが大切で、ようやく足並みがそろってきた。

 日中韓や台湾など8か国・地域が参加する北太平洋漁業委員会(NPFC)は年次会合を開き、サンマの漁獲枠を現行の55万6250トンから40%削減し、33万3750トンにすることで合意した。

 内訳は、自由に漁ができる公海で19万8000トン、日本とロシアの排他的経済水域(EEZ)で13万5750トンとし、今年から2年間適用する方針だ。

 日本は2017年から漁獲規制を訴えてきた。当初は慎重だった中国や台湾などが歩み寄り、19年に初めて枠の設定で合意した。政府は、今回も水揚げの減少に対する危機感を共有できたとしており、一歩前進したと言えよう。

 だが、18年に約44万トンだった全体の漁獲量は、19年に約19万トンまで減っている。約33万トンという枠では漁獲実績を大きく上回り、削減幅として不十分ではないか。

 日本が提案した国・地域別の漁獲枠の割り当てについても、導入が見送られた。これでは、資源保護の実効性に疑問が残る。

 割り当ての代わりに、会合では各国・地域が、18年の実績の6割を超えないようにすることで折り合ったという。

 漁獲量は自己申告制だ。確実な履行のため、公海で操業する漁船に搭載が義務づけられている衛星監視システムなどを使い、互いに点検する枠組みを設ける予定だという。厳格に運用してほしい。

 日本のサンマの漁獲量は2000年代に20万~30万トン台で推移していたが、近年、急激に落ち込んでいる。20年の水揚げ量は、3万トンを割ったとのデータがある。

 卸売価格は、20年の平均で1キロ・グラム500円近くに高騰しており、食卓から遠のきかねない。

 日本の不漁の要因は諸説ある。サンマは夏から秋にかけて太平洋の公海を北上した後、南下して日本のEEZに入ってくるため、その前に中国や台湾が公海で「先取り」しているとの指摘がある。

 一方、地球温暖化に伴う海水温の上昇で、冷たい水を好むサンマが、日本近海に来遊しなくなったとの見方も出ている。

 日本が主導しながら、各国・地域と協力して科学的な調査を進め、資源量の推移や回遊の実態を正確に把握していくことが重要だ。それを基に、的確な漁獲規制を実行してもらいたい。

無断転載・複製を禁じます
1891627 0 社説 2021/03/07 05:00:00 2021/03/07 01:31:06

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)