読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

孤独・孤立対策 不安に寄り添う社会にしたい

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 一人で不安を抱える人たちに寄り添い、手を差し伸べられる社会づくりを進めていきたい。

 昨年の自殺者は約2万1000人に上り、11年ぶりに増えた。女性の増加が著しい。女性の働き手が多い飲食業などがコロナ禍で打撃を受け、仕事や家庭での悩みが深刻化しているという見方もある。

 地縁や血縁などにもとづく社会的なつながりが弱まっているところに、新型コロナウイルスの流行が追い打ちをかけた。周囲から手助けを得られない人が増えているのではないか。

 高齢者には、感染を恐れて外出を自粛し、家に閉じこもりがちな人が少なくない。大学がオンライン授業になり、他人と話す機会が減ったという若者もいる。

 望まない孤独は、心身に悪影響を及ぼすだけでなく、医療費の増加や生産性低下を招くという指摘がある。孤独や孤立は、社会全体の課題である。

 英国は、2018年に孤独問題担当相を設けた。各省の横断的な組織が民間と協力し、カフェや文化的な拠点といった様々な居場所をつくっている。孤独を感じる人に、かかりつけ医が地域の活動を紹介しているという。

 こうした状況を踏まえ、政府は孤独や孤立への対策を強化している。菅首相は、坂本1億総活躍相を担当閣僚に任命した。

 関係省庁でつくる連絡会議を発足させ、5月までに具体策をまとめるという。支援が行き届かない現状の問題点を分析し、各省の縦割りを排して重層的な対策に取り組むことが重要である。

 喫緊の課題は、孤独や孤立を招く生活困窮への対応だ。安定した仕事や住まいがないという切迫した問題に加え、病気や障害、親の介護、子供の教育など、それぞれの事情が背景にあろう。

 自治体やNPOなどによる相談体制の整備も急がれる。SNSなどを活用し、休日や深夜でも相談しやすくすることが有効だろう。専門的な知識やノウハウが学べるように、研修体制を強化して人材の育成に力を注いでほしい。

 周囲へのSOSの出し方を学校で教えるなど、声をあげやすい環境を整える施策が大切だ。

 家族がいて、経済的に困窮していなくても、孤独に悩む人はいる。ボランティア活動やスポーツ、文化を通じた幅広い交流を活発化することが望ましい。

 一過性の取り組みに終わらせず、当事者の実情を踏まえた適切な対策を継続してもらいたい。

無断転載・複製を禁じます
1898809 0 社説 2021/03/10 05:00:00 2021/03/10 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)