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車載用電池 開発と原材料の確保に全力を

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 電気自動車(EV)用の電池の需要が世界で急拡大している。開発や原材料の確保で後れを取らないよう、官民で全力を挙げねばならない。

 EV用の電池製造会社や素材メーカー、商社など約30社が、協議会を発足させると発表した。政府とともに、電池の生産や供給の効率化などに「オールジャパン」で取り組むのが狙いだという。

 温室効果ガスの排出をなくす脱炭素に向けて、世界でEV普及の動きが加速し、ガソリン車の新車販売を2030~40年頃に禁じるという国が相次いでいる。

 自動車は日本の基幹産業で、この流れに乗り遅れれば損失は大きい。特に、EVの性能を左右する電池の競争力強化が重要だ。

 もともと、電池は日本が世界をリードしてきた分野である。ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が1985年に旭化成でリチウムイオン電池の原型を開発し、ソニーが世界で初めて量産化した。

 車載用のリチウムイオン電池は2016年に日本企業の世界シェア(市場占有率)が約4割でトップだったが、19年には中国に抜かれて2位となっている。

 中国が、政府の強い後押しでEV導入を促していることや、価格競争力に勝ることが理由だ。

 日本が先行しながら、台湾や中韓メーカーに席巻された半導体や液晶パネルと状況が似てきた。二の舞いとならないよう、過去の教訓を生かした戦略が望まれる。

 現在のリチウムイオン電池は高価で、EVが割高な要因となっている。1回の充電で走れる航続距離が短く、性能向上も課題だ。

 まずは、国内のEV市場を成長させ、量産による低価格化を実現したい。国が普及目標を明確化し、企業が研究開発などに大規模投資をしやすくすることが大切だ。

 原材料の安定調達も不可欠となる。ニッケルやリチウムなどの希少金属は中国が囲い込みを図っており、供給不足に陥る可能性があるためだ。米国や欧州は、調達強化の方針を打ち出している。

 日本も、官民で調達先の多様化や希少金属の使用を減らす技術開発などを進めてほしい。

 次世代電池である「全固体電池」の実用化が期待される。エネルギー効率が高いため短時間で充電でき、航続距離が伸びるという。

 中国も巨額投資をしているが、現状では日本企業が持つ関連特許が世界最多で、トヨタ自動車が20年代前半に搭載車を販売する計画だ。技術的な課題を克服し、日本の優位を維持してもらいたい。

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1909230 0 社説 2021/03/14 05:00:00 2021/03/14 05:00:00

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