消費税総額表示 丁寧な説明で浸透させたい

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 商品やサービスの値段について、消費税を含めた税込み価格で示す「総額表示」が、4月1日から義務化される。

 支払総額を分かりやすくするためだが、値上げと勘違いされて、買い控えにつながるとの懸念もある。小売業界は周知に努め、消費者側も冷静な対応を心がけたい。

 総額表示は、もともと2004年に義務化されたが、5%から8%への税率引き上げを前にした13年秋以降、特例措置として、「100円+税」のような税抜きでの表示が認められていた。

 当時は、15年10月に10%への再引き上げが予定されていたため、再度、値札の付け替えをせずに済むよう配慮した。この特例措置が3月末で終了することになる。

 価格の表示方法を変更する企業は、混乱が起きないよう、店頭やインターネット上などで丁寧に説明することが必要だ。

 特例措置の期間中、各企業の対応はまちまちで、今年2月に、店頭での価格表示が税抜きのケースは食料品で約26%、サービスでは約32%あったという。

 義務化の前から、小売業界などは「値上がりした印象を与えてしまう」として、総額表示には消極的だった。04年に、スーパーの業界団体が行った調査では、売上高が「減少した」と答えた企業が6割近くに達していた。

 表示が変更されても、買い物で実際の支払額が変わるわけではない。政府の今年2月の調査によると、消費者の約9割が総額表示の方を望んでいた。総額が一目でわかるようにし、顧客の利便性を高めることを優先すべきだろう。

 義務化の後も、税抜き価格と税込み価格を併記することは認められるという。ただ、比較して税込み価格の文字が著しく小さい場合は、景品表示法違反にあたり、店名の公表や罰金などの処分の対象となる可能性がある。

 消費に悪影響が出ることを防ぐため、政府は、総額表示の意義と制度を、十分に国民に浸透させなければならない。

 消費者側も、購入前の価格の確認には念を入れたい。

 義務化を受け、企業が客離れを警戒して値下げに踏み切るケースが増える可能性がある。04年には、大手小売業者が、値下げ分の負担を納入業者に求める「下請けいじめ」のような事例が相次いだ。

 同様の事態が広がらないよう、公正取引委員会は監視を強め、優越的な地位を乱用した悪質な行為は厳しく取り締まってほしい。

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1915167 0 社説 2021/03/17 05:00:00 2021/03/17 05:00:00

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