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LINEデータ 海外委託の危うさが露呈した

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 国内で8600万人が利用する情報インフラのデータ管理に、重大な疑念を抱かざるを得ない事態だ。早急に実態を解明し、利用者の不安払拭ふっしょくに努めねばならない。

 無料通信アプリ「LINE」(ライン)の運営会社が、システム開発を委託した中国企業に、利用者の個人情報を閲覧できる権限を与えていたと発表した。氏名や電話番号、メッセージの内容が長期間、閲覧可能だったという。

 LINEは、中国企業が閲覧できたのは必要最小限の範囲だけで、不正な接続や情報流出はなかったと説明している。だが、利用者の間には、情報流出の懸念やアプリへの不信が広がっている。

 菅首相は政府機関の利用状況を調べると表明した。総務省や一部の自治体は利用停止を決めた。

 中国は国家情報法で、国の情報活動に企業や国民が協力するよう義務付けている。中国政府から情報提供を強制されかねない企業に閲覧を許していたとなれば、利用をためらうのも当然だろう。

 LINEは10年前に開発され、急速に広がった。キャッシュレス決済も展開し、新型コロナウイルス感染者の健康把握に用いる自治体も多い。政治家も利用しており、専門家は「安全保障上のリスクが大きい」と指摘している。

 情報インフラを担う企業には、とりわけ厳格なデータ管理が求められる。LINEは中国企業からの閲覧を遮断し、韓国にある動画や画像データも順次、日本に移すという。着実に進めてほしい。

 近く設置する第三者委員会で、委託先の情報管理と監督体制の問題点を調べ、結果を迅速に公表する必要がある。国も企業任せにせず、実態把握に努めるべきだ。

 日本の個人情報保護法は、利用者の同意があれば、情報を海外に移したり、海外から閲覧したりすることを認めている。LINEは利用者向けの指針で一定の説明はしていたというが、長文の規約を精読する人は多くはあるまい。

 国は来年の改正法施行に合わせて、情報移転先の国名を明記するよう義務付けるという。利用者の同意を条件に、海外への情報移動や閲覧を認めることの是非も、改めて検討すべきではないか。

 IT分野では、人材やコスト面から海外への業務委託が広がっている。各国の制度がどうなっているかに留意せず、安易に委託している企業もあろう。国は実態調査とルール整備を急ぐべきだ。

 利用者側も、情報サービスの安全性に対する意識を高めたい。

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1927070 0 社説 2021/03/22 05:00:00 2021/03/23 00:16:27

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