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北方領土問題 原点踏まえ戦略的に交渉せよ

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 これまでの交渉を否定するようなロシア側の不誠実な対応が相次いでいる。政府は、領土問題の原点を踏まえ、戦略的に取り組む必要がある。

 ロシア政府が北方領土の択捉島で、大規模なリゾート開発を行う計画が明らかになった。択捉島には既に地対空ミサイルを配備し、択捉、国後両島で軍事演習を行っている。「ロシア化」を加速させていることは、容認できない。

 北方4島は日本固有の領土であり、早期に返還の道筋を付けなければならない。平和条約を締結し、両国関係を改善することは、ロシアの利益にもつながろう。

 しかし、ロシア側からは、対話に逆行する発言が続いている。

 メドべージェフ前首相は、ロシアの改正憲法に領土の割譲禁止が明記されたことを理由に、「日本との領土引き渡し交渉はできなくなった」と語った。外務省報道官は、「いかなる形であれ議論さえできない」とまで述べている。

 同時に、プーチン大統領は、国境画定という形での交渉には含みを持たせる言い方をしている。

 日本から経済支援などの譲歩を引き出す狙いだろうが、極めて遺憾だ。日露関係が冷え込むことは避けられない。

 一連の発言の背景には、プーチン政権の置かれた厳しい内政状況があるとの見方もある。長期政権の閉塞へいそく感に加え、経済も低迷し、プーチン氏と与党「統一ロシア」の支持率は低下傾向にある。

 プーチン政権は、保守層頼みで求心力を維持している。支持基盤が重視する領土問題で弱腰とみられないよう、強気の発言を繰り返しているのかもしれない。

 安倍前首相は、プーチン氏と首脳会談を重ね、柔軟な姿勢で領土問題の進展を目指した。歯舞群島、色丹島の2島返還を確実にするため、2018年には、「日ソ共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる」ことで合意した。

 その後、交渉が停滞したのは、ロシアが強硬な態度に回帰したためである。対米関係の悪化を受けて中国と連携を強め、19年以降、日本周辺で中露軍の合同飛行を行うなど、日本との信頼関係は大きく損なわれている。

 2月7日の北方領土返還要求全国大会では、ロシアによる不法占拠を非難する大会アピールが3年ぶりに採択された。

 菅首相は昨年9月、プーチン氏との電話会談で、交渉を継続する方針で一致した。厳しさを増す国民の視線を念頭に置き、膠着こうちゃく状態の打開を図ってもらいたい。

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1927071 0 社説 2021/03/22 05:00:00 2021/03/22 05:00:00

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