読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

公示地価 一極集中の是正につながるか

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 新型コロナウイルスの感染拡大が地価の上昇にブレーキをかけたが、影響の度合いは用途や地域によってまちまちだ。政府は、その動向をきめ細かく点検する必要がある。

 国土交通省が発表した1月1日時点の公示地価は、全ての用途の全国平均で前年より0・5%下がり、6年ぶりに下落に転じた。商業地は7年ぶり、住宅地は5年ぶりの値下がりだ。

 地域別では、東京、大阪、名古屋の3大都市圏すべてで、商業地、住宅地ともに下がった。

 地価は、経済の活力を表す指標でもある。日本はバブル崩壊後、「資産デフレ」に苦しんだ。下落が長引くことは望ましくない。

 低下が目立ったのは、景気を反映しやすい商業地の価格だ。

 下落率の上位には大阪市中央区の地点が並んでいる。道頓堀など、以前は訪日外国人客でにぎわった地域で、高収益を上げていたドラッグストアのような店舗への不動産投資が減ったとみられる。

 東京では、銀座や歌舞伎町を始め、飲食店が集積する地域で落ち込みが激しかった。

 各地でホテル向けの土地需要が減退し、地方の観光地でも値下がりした場所が多い。

 ただ、全体の下落率は、2008年のリーマン・ショック後よりも小幅にとどまっている。

 株式市場は好調で、世界的な金融緩和による「金余り」で不動産に資金が流れやすい状況は変わっていないためだろう。

 東京・丸の内といったオフィスが中心の地域は、地価があまり下がっていない。地方の主要都市である札幌、仙台、福岡では再開発などによる上昇が続いている。

 スキーリゾート・ニセコで知られる北海道倶知安町には、伸びが鈍化したとはいえ、なお20%以上値上がりした地点がある。政府は、外資などによる投機的な動きには目を光らせてほしい。

 住宅地の値下がりは、商業地と比べれば小さかった。

 埼玉、千葉、神奈川の東京に近接する地域などでは、値上がり傾向が継続している。新幹線通勤が可能な別荘地の長野・軽井沢や、静岡・熱海の駅周辺でも、前年比でプラスの地点があるという。

 総務省によると昨年7月以降、東京都で転出者が転入者を上回っており、テレワークの普及が影響している可能性がある。

 各自治体や企業が、働き方や働く場所を多様化させる方策に知恵を絞り、東京一極集中の是正につなげていくことが重要だ。

無断転載・複製を禁じます
1932375 0 社説 2021/03/24 05:00:00 2021/03/24 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)