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研究費透明化 中国への先端技術流出を防げ

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 先端技術研究に関する政策には、安全保障の観点が必要だ。中国などへの技術流出を防ぐため、明確なルールを策定してもらいたい。

 政府が設置した有識者検討会が、研究者が国の助成を受ける際、外国の研究機関との兼業や、海外からの資金受け入れについて、情報を開示することを義務づけるべきだとする報告書をまとめた。

 虚偽申告に対しては、助成の取り消しや最長5年間の応募制限を講じることも提言している。

 政府は報告書を踏まえ、公的な研究費の透明化に関する基本方針を策定するという。技術研究をめぐる課題を多角的に検討し、実効性の高い方策を取るべきだ。

 人工知能(AI)やロボット工学などの先端技術は、各国との共同研究が増えている。民生用と軍事用の技術の垣根が低く、外国政府が研究成果を軍事分野に利用すれば、日本の安全保障に悪影響を与える恐れがある。

 有識者検討会が念頭に置くのは、「軍民融合」を国家戦略に据える中国である。大学などの研究成果や民生用の技術を利用して、軍備増強を図っている。

 報告書によると、中国の人材招致プロジェクト「千人計画」に参加した複数の米国の研究者が、技術や情報を流出させたという。

 千人計画には、日本から44人が参加していたことが確認されている。同時期に科学研究費を得ていた研究者も含まれている。

 米政府は近年、軍事転用可能な機微技術が中国に流出しないよう、研究費の透明化や輸出管理の強化に取り組んできた。

 日本はこれまで、捏造ねつぞうや盗用などの研究不正には対応してきたが、軍事転用のリスクについては取り組みが遅れている。日本が対策を講じなければ、米国との技術交流にも支障が出かねない。

 大学や研究機関は、外国政府からの不透明な関与がないか、目を光らせてほしい。

 退職した大学教授や企業の技術者が好条件で中国に招かれるケースもある。国内にポストがなく、海外に移る若手研究者は少なくない。諸外国に見劣りしない研究環境を整えることが急務である。

 政府の科学技術予算は4・4兆円で、中国の28兆円、米国の15兆円超に遠く及ばない。政府は大学ファンドを創設し、将来は10兆円規模とする方針だ。有効に活用して大学の基盤を強化したい。

 日本が科学技術立国であり続けるためには、長期的な視点で研究者を支援することが大切だ。

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1935163 0 社説 2021/03/25 05:00:00 2021/03/25 05:00:00

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