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柏崎刈羽原発 テロ対策の軽視が甚だしい

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 福島第一原子力発電所の事故で、安全対策の重要性を痛感したはずなのに、なぜこのような事態が起きるのか。東京電力は、度重なる失態を猛省しなければならない。

 新潟県の柏崎刈羽原発で、外部からの侵入を検知する複数の機器が故障していた。原子力規制委員会は、テロリストらの侵入を許す可能性があったとして、東電に対し、核燃料の移動を禁ずる命令を出す方針を決めた。

 問題は、作業員が検知機器の一つを誤って壊したのを機に発覚した。規制委が調べたところ、10か所で監視機能が十分に働いていなかった。東電の管理体制は一体どうなっていたのか。

 柏崎刈羽原発では、IDカードをなくした所員が同僚のカードを使って中央制御室に入るという規則違反も明らかになった。原発を運転する企業として、危機意識に欠けると言わざるを得ない。

 福島第一、第二原発の廃炉が決まり、7基を抱える柏崎刈羽は、東電に残された唯一の原発だ。東日本大震災の後、規制委の審査に合格し、再稼働に向けて地元と調整中だったが、今回の不祥事で大幅に遅れるのは必至である。

 東電は、柏崎刈羽原発が2021年度以降、順次再稼働すると見込み、1基あたり数百億円の利益押し上げ効果を期待していた。こうした利益が失われることで、経営には大きな打撃となろう。

 福島第一原発の廃炉には、溶融燃料の取り出しや建屋の解体に8兆円かかるとされる。この費用の捻出も難しくなる恐れがある。

 全国で原発の再稼働が進まない背景には、原発の安全性に対する国民の不信がある。東電は、社会から厳しい目を向けられていることを改めて認識し、核防護措置の再構築に努めてもらいたい。

 大震災後の再稼働を目指して、地震や津波対策に注力するあまり、テロ対策がおろそかになったのではないか。運転停止が約10年に及び、社員の士気は落ちていなかったか。東電は、組織運営の抜本的な検証を進めるべきだ。

 他の原発の警備体制にも同様の問題がないのか、電力各社や規制委は総点検する必要がある。

 地球温暖化を防止するため、温室効果ガスの排出をなくす「脱炭素」が世界的な潮流になっている。二酸化炭素を出さない原発は、その有効な手段だ。

 国のエネルギー政策の選択肢を減らさないためにも、東電は失われた信頼の回復に全力で取り組むことが重要である。

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1940648 0 社説 2021/03/27 05:00:00 2021/03/27 05:00:00

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