新年度予算成立 感染抑止の論戦が足りない
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危機を乗り越えるための対策について、与野党が十分に論じているとは言い難い。駆け引きに終始せず、建設的な論戦を心がけるべきだ。
一般会計総額で過去最大の106兆円を超える2021年度予算が成立した。政府は、予算に盛り込まれた施策を着実に実施しなければならない。
新型コロナウイルス対策では、保健所の体制を強化することが柱だ。保健師の確保に向けて、採用に関する自治体の費用を支援するほか、保健師の人材バンクを全都道府県に設置するという。
感染者の入院先の調整や、PCR検査の手配など保健所の業務は多岐にわたっている。公衆衛生に携わる人材を増やし、現場の負担を軽減する意義は大きい。
感染が拡大した地域に保健師を弾力的に融通できるよう、人材バンクを有効に活用してほしい。
緊急事態宣言前に編成された予算では、病床
宣言は全面解除されたが、感染者が急増している地域もある。
今国会では、緊急事態に準じた対策を知事が講じられる「まん延防止等重点措置」が新設された。感染状況を見極め、メリハリのある対策を講じることが重要だ。
政府の感染症対応は後手に回ってきた。菅首相は、新たな措置の適用を
国会審議で、野党は総務省の接待問題に焦点を当てている。
立法府が行政の監視機能を果たすことは大切だが、閣僚や官僚に、誰と食事をしたのかを延々と
政府の姿勢も、誠実さを欠いている。武田総務相は「国民の疑念を招くような会食には応じていない」と繰り返し述べている。答弁に向かう省幹部に「記憶がないと言え」と指図していた。
衆参両院で多数を占めているから、雑な対応でも押し切れるという
政府提出法案や関連資料に、誤字などのミスが相次いで見つかっている。異常な事態だ。
単なる注意不足なのか、公務員の労働環境に問題があるのか。首相はミスの背景をきちんと調べ、再発防止を徹底してほしい。