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ウイグル族弾圧 中国は国際的調査受け入れよ

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 中国による少数民族ウイグル族の弾圧に対し、国際社会が制裁圧力を強めている。中国には、独立した調査を受け入れ、不透明な実態を明らかにする責務がある。

 欧州連合(EU)は、ウイグル族の拘束や強制労働などが深刻な人権侵害にあたるとして、中国の当局者への制裁を決定した。EUの対中制裁は、前身の組織が1989年の天安門事件を受けて発動して以来となる。

 経済に重きを置いていた中国との関係の見直しに、欧州が動き始めたと言えよう。

 EUはこれまで、全会一致の原則が制裁実施の壁となっていた。対象を人権侵害に絞り、政府ではなく個人や組織に制裁を科す新制度を昨年末に作ったことで、合意が容易になった。人権重視の基本理念を示せたのではないか。

 米国や英国、カナダも制裁を発表した。バイデン米政権の発足後、人権問題でも米欧連携が進んでいることの表れである。

 ウイグル族はイスラム教徒で、中国西部の新疆ウイグル自治区に1280万人が住んでいる。中国は分離独立運動を警戒し、中国語教育や共産党支配の正当性の宣伝など、同化政策を進めてきた。

 米欧は、中国政府の文書や衛星写真、目撃者の証言を基に、100万人が「矯正施設」に収容され、拷問や思想教育、強制労働、不妊手術が横行する実態を指摘している。放置は許されない。

 中国は「偏見に基づくでっちあげだ」と反論している。事実無根だと言うのなら、米欧が求める国連や専門家の調査を認めるべきだ。実態を公にしない限り、国際社会の懸念は払拭ふっしょくされまい。

 米欧の批判は内政干渉だという主張も的外れだ。中国が重視する国連憲章は基本的人権の尊重をうたっている。人権や自由など普遍的価値観を巡る問題に国際的な関心が高まるのは当然である。

 日本は米欧とは一線を画し、制裁には慎重な立場だ。弾圧を裏付ける独自の情報が乏しく、人権侵害を理由に制裁を科す法制度も未整備なことが背景にある。

 だが、傍観するだけでは、人権軽視の印象を与えかねない。天安門事件の際の、融和的姿勢をとっても中国の変化を導けなかった過ちを繰り返してはならない。

 国連人権理事会は、中国を支持する国が多数派で、機能不全に陥っている。それでも、理事国の日本は中国への調査団派遣を呼びかけるなど、事態改善に向けた具体的な行動に踏み出すべきだ。

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1944611 0 社説 2021/03/29 05:00:00 2021/03/29 05:00:00

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