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ネット中傷 出演者守る番組作りに努めよ

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 番組を見ながら、インターネット上に感想を書き込む視聴者が珍しくない時代になった。痛ましい出来事を繰り返さないよう、放送界全体で出演者のケアを考えねばならない。

 フジテレビの人気番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さんが昨年5月に自殺した問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会が「放送倫理上の問題がある」とする見解を発表した。

 木村さんの母親は「過剰な演出があった」などとして人権侵害だと訴えた。委員会は人権侵害までは認めなかったが、「木村さんの精神的な健康状態に配慮が欠けていた」と指摘した。フジテレビは重く受け止める必要がある。

 審理の対象になったのは、若い男女6人が共同生活を送り、恋の駆け引きなどを見せる「リアリティー番組」だ。木村さんは、番組内での自身の言動を巡り、SNS上でひどい中傷を受けていた。

 フジテレビ側は、番組がインターネットの動画配信サービスで先行配信された後、悩んだ木村さんが自傷行為に及んだことを把握していた。にもかかわらず、地上波でそのまま放送していた。

 木村さんが自ら命を絶ったのはその4日後だ。フジテレビ側に判断の甘さがあったのは否めない。問題のシーンをカットするなど、配慮すべきではなかったか。

 リアリティー番組は、視聴者が感情移入しやすく、共感や反発が出演者に向かいやすい。SNS上で攻撃を受けるリスクが高いため、番組の制作者は、出演者が中傷を受けていないか、より慎重に確認する責任がある。

 BPOの決定を受け、フジテレビは「番組制作に伴うSNS上の対策や課題は、新設した専門部署を中心に組織的に取り組む」とするコメントを発表した。出演者の安全と安心を第一に、再発防止策を徹底してもらいたい。

 視聴者側も、出演者の言動に一方的に怒りを募らせ、相手を傷つけるような行為は慎みたい。

 木村さんをツイッターで中傷した男は侮辱罪で略式起訴され、科料を命じられた。別の書き込みに対し、損害賠償を求める裁判も続いている。安易な書き込みは、刑事と民事の両面で責任を問われることがあると自覚すべきだ。

 政府は、ネット中傷被害の相談体制の充実に取り組む方針だ。発信者を特定しやすくする法改正案も、今国会に提出されている。心ない書き込みをなくすための手立てを尽くしたい。

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1952724 0 社説 2021/04/01 05:00:00 2021/04/01 05:00:00

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