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ルネサス火災 半導体不足に拍車をかけた

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 世界で車向け半導体が不足する中、日本の自動車生産に打撃を与えかねない事態である。官民で影響を最小限にとどめる努力を尽くすべきだ。

 半導体大手ルネサスエレクトロニクスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)で3月中旬に火災が発生し、主力の生産ラインが停止している。生産再開には1か月程度かかり、出荷量が元に戻るのは、6~7月になる見通しだという。

 那珂工場は、車の走行などを制御する半導体「マイコン」を製造していた。車向けマイコンの生産で、ルネサスは世界トップだ。

 国内の自動車メーカーは、マイコンの多くをルネサスに依存しており、減産に追い込まれる可能性が高い。自動車は日本の基幹産業で裾野も広く、大幅な減産が経済全体に悪影響を及ぼすことは避けなければならない。

 取引先から1000人近くが応援に入り、復旧作業にあたっている。まずは、生産の再開に全力を挙げてもらいたい。

 ルネサスは当初、約600台の製造装置のうち11台が損傷したと発表したが、被害は23台に上ることが判明したという。代わりの装置の調達を急いでほしい。

 ルネサスは、国内の別の工場での生産や台湾メーカーへの生産委託などを進める意向だ。政府も台湾に協力を要請している。あらゆる代替生産の方策を探りたい。

 火災の原因究明も不可欠だ。メッキ装置から火が出たとしているが、なぜ発火したかは分かっていない。徹底検証し、万全な再発防止策を講じることが重要だ。

 那珂工場は、東日本大震災の際にも被害を受け、世界の自動車生産に支障が出た。その教訓から、災害時に代替生産できる体制を目指してきた。事業継続のための対策を再点検する必要がある。

 マイコンのほか車用半導体は多岐にわたり、需要は増大している。火災前から、世界の自動車業界は半導体不足に見舞われていた。

 コロナ禍で減った販売が、その後、急回復したためで、好調なスマートフォン向けなどと競合し、調達が難しくなっていた。

 今年2月には米テキサス州の寒波による停電で、欧州系などの車用半導体会社が操業を止め、需給が一段と逼迫ひっぱくしていたという。

 車向けに限らず、「産業のコメ」と呼ばれる半導体の確保は、世界各国が喫緊の課題として取り組んでいる。日本は製造装置や素材分野に強みがある。それらを生かし、海外と連携しながら生産基盤の強化を目指すことが望まれる。

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1959736 0 社説 2021/04/04 05:00:00 2021/04/04 05:00:00

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