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英国の安保政策 インド太平洋重視を歓迎する

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 英国がインド太平洋地域への関与を強化する新たな方針を打ち出した。ルールに基づく地域秩序の維持を目指している日米にとって、歓迎すべき動きである。

 英政府が今後10年間の外交・安全保障政策の指針として発表した「統合レビュー」は、ロシアの脅威に加え、中国の影響力の増大にも対応する内容となっている。

 中国の軍事力増強と強硬な対外姿勢は、英国にとってもリスクであると指摘し、中国を「体制上の競争相手」と位置づけた。

 中国は、香港の「高度な自治」を定めた英国との約束を破り、「法の支配」や人権を踏みにじる施策を次々と繰り出している。英国は、確固とした対中戦略が必要だと判断したのだろう。

 ジョンソン英首相はレビューの説明で、「我々のような開かれた社会が中国から強大な挑戦を受けるのは疑いようもない」と述べ、民主主義を守る決意を示した。

 レビューは、インド太平洋地域が「世界政治・経済において、ますます重要になっている」とし、日米、インド、オーストラリアなど、価値観を共有する国々と連携する姿勢を強調している。

 航行の自由の確保に向けて、英海軍の存在感を高める方針を示し、その一環として新鋭空母を今年、東アジアに派遣するという。「自由で開かれたインド太平洋」を目標とする日米豪印の枠組みを補強する役割が期待される。

 ただ、中国は英国にとって地理的に遠く、直接の脅威となる可能性は小さい。英政府は、中国との経済関係の拡大も追求していくとしている。インド太平洋への関与強化には一定の限界があろう。

 英国にとって、軍事的にはロシアが「最も切迫した直接的脅威だ」とレビューは断言している。北大西洋条約機構(NATO)による抑止の必要性を訴え、英国は積極的に貢献すると宣言した。

 英国が欧州連合(EU)から離脱した後も、欧州の防衛を支える意思を明確にしたといえる。

 レビューは、「安全保障環境の変化」を理由に、英国が保有する核弾頭の上限を180発から260発に引き上げるとしている。

 核保有国の中で英国が率先して核軍縮を進めてきた流れが止まることになる。米国とロシア、中国の間で軍拡競争が激化している現状を踏まえた決定だろう。

 核軍縮の機運を再び高めるには、まず米露が緊張を緩和し、中国も加えた軍縮の枠組みを模索していかなければならない。

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1959739 0 社説 2021/04/04 05:00:00 2021/04/04 05:00:00

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