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保護司不足 幅広い分野から担い手確保を

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 罪を犯した人の立ち直りを支えるために保護司が果たす役割は大きい。幅広い分野から人材を掘り起こし、担い手の減少を食い止めたい。

 全国に約4万6000人いる保護司は、刑務所からの仮出所者や保護観察中の非行少年らと定期的に面接し、生活や就労などの相談に乗っている。法相の委嘱を受けた非常勤の国家公務員だが、実質は無給の民間ボランティアだ。

 近年は高齢化が著しく、平均年齢は65歳を超えた。法務省の通達で、原則78歳までしか活動できないため、退任者は今後、大幅に増える。退任者数が新任者数を上回る状況が続いており、担い手の確保は急務と言えよう。

 後任は、保護司が個人的なつながりで見つけることが多い。最近は「忙しい」「家族の理解が得られない」といった理由で断られることも少なくないという。

 地域の結びつきが弱まっている。このままでは活動の継続が危惧されるとして、総務省は人材の確保を支援するよう、法務省に勧告した。候補者にふさわしい人材の情報を集める協議会を各地で開催することなどを求めている。

 法務省は都道府県や市町村と協力し、公務員OBや社会福祉の専門家、企業経営者など、幅広い分野の人材にアプローチできる仕組みを構築すべきだ。保護司の活動を体験してもらうインターンシップ制度の充実も必要だろう。

 篤志家の善意頼みでは制度の維持は難しい。活動の有償化や経費負担の拡充も検討に値しよう。

 活動の負担軽減も重要だ。面接は保護司の自宅で行うことが多いが、家が手狭で部屋の確保が難しい人が増えている。自宅での面接に負担を感じる人もいる。

 保護司の活動拠点となる各地の「更生保護サポートセンター」は、夜間や休日に使えないところもある。設置場所や開所時間などの見直しを進めるべきだ。

 裁判員裁判では、再犯防止を重視し、被告の更生を促す意味を込めて、保護観察付きの判決を出すケースが増えた。一方、薬物依存など対象者の抱える問題は複雑化している。保護司向けの研修を充実させることが不可欠である。

 保護司は活動の報告書を郵送で提出するのが原則で、手書きで作成する人も多い。データ流出の懸念があるためだが、手間がかかるとして、改善の要望が強い。

 法務省は、パソコンで報告書の作成や提出ができるシステムを開発中だという。時代にあった環境整備を急がねばならない。

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1961471 0 社説 2021/04/05 05:00:00 2021/04/05 05:00:00

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