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電力需給 再び綱渡りとならないように

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 暮らしを支える電力の供給が綱渡りになる事態は避けねばならない。政府と電力大手は、先手を打って万全の対策を講じてもらいたい。

 全国の電力供給を調整する「電力広域的運営推進機関」(広域機関)がまとめた2021年度の需給見通しによると、各社が電力を融通し合っても、来年2月に電力不足になる恐れがあるという。

 電力会社の供給余力が全国平均で6・6%になり、集計を始めた15年度以降では初めて、安定供給の目安となる8%を下回る見込みだ。7月には、東京電力管内で8%未満になるとした。

 電力は、供給が需要より少なくなってしまうと周波数が乱れ、大規模な停電につながりかねないため、備えが急務である。

 今年1月に、日本海側などの大雪の影響で全国的に需給が逼迫ひっぱくし、関西電力管内で供給能力に対する需要の割合を示す使用率が一時、99%に達した。

 暖冬だった昨年より需要が約1割増え、火力発電に使う液化天然ガス(LNG)が不足した。積雪で太陽光発電の出力が下がったことが追い打ちをかけた。

 再び同じ危機にひんしないよう、教訓を生かしたい。ガス会社や石油会社を含めたエネルギー業界全体で、燃料の安定確保に向けた連携を強化することが望まれる。

 電力が足りなくなると予想される時には、早めに利用者側に協力を求めることが大切だ。生活に欠かせない冷暖房以外で、使用の抑制につながる具体的な節電法などを広く周知してほしい。

 供給余力の減少は火力発電所の老朽化も一因だ。電力自由化による競争で大手各社はコスト削減を優先し、投資を抑えている。そのため設備の更新が遅れている。

 21年度には、全国で原子力発電所5基に相当する約500万キロ・ワット分の火力発電所が老朽化などで休廃止になる予定だという。

 当面は、電力消費量の少ない春や秋に、老朽設備の早めの修繕に努めるとともに、需要が増える時期には、補修による停止を最小限にとどめる工夫が必要だ。

 中長期的には、温室効果ガスの排出が多い火力には頼れない。政府は、代替電源として太陽光や風力など再生可能エネルギーの大量導入を目指しているが、天候に出力が左右される弱点がある。

 温室効果ガスを出さず、出力が安定している原発の活用が不可欠だろう。政府がその重要性を国民に丁寧に説明し、責任を持って再稼働を後押しするべきだ。

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1963720 0 社説 2021/04/06 05:00:00 2021/04/06 05:00:00

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