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刑事司法IT化 情報保護に配慮した制度に

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 捜査や公判などの刑事手続きにデジタル技術を活用するのは時代の要請と言える。情報漏えいを防ぐ対策に万全を期しつつ、効率的な手続きの検討を急ぐ必要がある。

 刑事手続きのIT化に向け、法務省が設置した有識者検討会が初会合を開いた。逮捕状などの請求・発付のオンライン化や、電子データによる刑事記録の管理、公判でのオンライン活用の実現に向けた課題を整理するという。

 司法分野のデジタル化は、政府が昨年7月に閣議決定した新たなIT戦略に盛り込まれた。民事訴訟ではすでに、裁判所と弁護士事務所をつないだウェブ会議の活用が始まっているが、刑事手続きは今も紙でのやり取りが原則だ。

 容疑者の逮捕や関係先の捜索に際しては、警察官らが裁判所に足を運び、裁判官から令状の発付を受ける。離島などでは往復に数時間かかる場合もあり、オンライン化は、捜査の迅速化や現場の負担軽減につながるだろう。

 対面でのやり取りが省略できれば、新型コロナウイルスなどの感染症対策にもなる。

 起訴状や証拠書類の電子データ化は、弁護側からも要望する声が上がっている。検察側が集めた証拠書類は容疑者の起訴後、弁護側に開示されるが、検察庁からは持ち出せないため、多い時は数万枚のコピーが必要になる。

 費用や手間は膨大で、「弁護活動の障害になっている」と指摘する弁護士もいる。書類を電子データで管理できるようになれば、捜査当局や裁判所のペーパーレス化にも役立つはずだ。

 刑事手続きで扱う捜査情報などは、秘匿性が高い。警察、検察、裁判所をつなぐネットワークの構築や証拠開示にあたっては、安全管理の徹底が不可欠である。

 昨春のコロナ禍で緊急事態宣言が出た際は、裁判員裁判を始め、多くの裁判期日が取り消された。海外では公判でのオンライン活用を模索する動きもみられる。

 日本では、性犯罪被害者の負担軽減などのため、法廷と別室を映像でつないで証言する「ビデオリンク」方式が導入されている。今回の検討会では、こうした方式を活用できる裁判を拡大することなどが話し合われるとみられる。

 裁判官は現在、法廷で被告や証人と直接向き合い、有罪か無罪かを判断している。公判のオンライン活用では、裁判官の心証形成に支障を来さないか、裁判の公開原則との兼ね合いをどうするのかなど、十分に議論してほしい。

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1966548 0 社説 2021/04/07 05:00:00 2021/04/07 05:00:00

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