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韓国与党惨敗 不公正への怒りが噴出した

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 残り任期が約1年となった韓国の文在寅大統領にとって大きな打撃だ。レームダック(死に体)化が避けられない中、山積する課題で成果を上げるのは容易ではあるまい。

 首都ソウルと第2の都市釜山の市長選で、左派系与党の候補がいずれも、保守系野党の候補に惨敗した。野党は「文政権の審判」を訴え、来年春の大統領選に向けた前哨戦の様相を呈していた。

 両市長選とも、与党に所属する前市長がセクハラの発覚で自殺や辞任をしたことから行われた。文政権が「公正な社会の実現」を目標に掲げながら、行動が伴っていないことへの有権者の怒りが選挙結果に表れたと言えよう。

 不動産投機を巡る不祥事も、与党に対する逆風となった。宅地開発公社の職員や国会議員、大統領府職員らが、内部情報を基に値上がり確実な土地を買いあさった疑惑が広がり、600人以上が捜査を受けているという。

 文政権発足後、ソウルのマンション価格は6割以上高騰し、大都市でマイホームを取得するのは困難になっている。国民が強く反発したのは当然だろう。

 韓国は財閥系の大企業が引っ張る形で経済発展を遂げたが、国民レベルで豊かさを実感しているとは言いがたい。文政権が公約した若年層の就職難の改善も進んでいない。出生率低下に歯止めがかからず、ついに1を割り込んだ。

 国民生活の向上や格差是正、政治腐敗対策は、次期大統領選でも争点となるのは間違いない。

 文政権が強引に進めている検察改革の是非も問われる。政府高官らの汚職捜査を担当する新たな専門機関をつくり、検察の権限を縮小した改革には、「政権に対する検察の捜査を封じる政治的な狙いがある」との批判が根強い。

 検察改革を巡って政権と激しく対立し、辞任に追い込まれた前検事総長には、大統領選への出馬待望論が野党陣営から出ている。与党側も野党側も、既存の政治家に抜きんでた候補は見当たらず、混戦模様となるのではないか。

 文氏は「さらに姿勢を低くし、より重い責任感を持って国政に臨む」と述べ、今回の与党敗北を深刻に受け止めている。

 しかし、求心力が低下する中で元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)や元慰安婦を巡る訴訟問題の解決に動くのは一層困難になろう。

 対日関係を悪化させたまま、放置することは無責任だ。残り任期中、関係修復の手立てを尽くさねばならない。

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1972386 0 社説 2021/04/09 05:00:00 2021/04/09 05:00:00

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